第1部 脱炭素社会・循環型社会に向けて食品容器包装の未来を考える
(2022年7月21日 12:30〜13:50)
世界は気候変動や海洋プラスチックごみ問題、生物多様性の損失などの地球の危機に加え、引き続き、COVID – 19パンデミックの新たな危機にも直面しています。これらは互いに関連しており、地球を守る行動の緊急性がかつてないほどに高まっています。炭素排出量を大幅に削減しながら、経済成長に繋げる政策や産業構造の抜本的転換が急務です。
これらを背景に、容器包装設計者には、大量生産・大量消費・大量廃棄の流れを変えるため、使用後の容器包装を資源として回収し、再生再利用する循環型仕様へのガイドライン&設計に向けた行動が求められています。また、生活者としては持続可能な地球を創る当事者としての自覚を持ち、ワークスタイル・ライフスタイルの変革に取組みましょう。
包装産業の持続可能な発展に貢献して未来を変えうる先進的事例を紹介し、未来に目指したい容器包装を展望します。
- 容器包装を取り巻く世界の共通課題
- 容器包装を取り巻く世界の共通課題
- 欧米のプラスチックパッケージに関する規制
- 日本のプラスチック資源循環法
- MR材を使用したPETボトルの安全性評価審議
- プラスチックの3R+Renewableに関する国内外の最新動向
- 使用量削減・モノマテリアル化・リサイクル
- バイオポリマー
- 生活者のライフスタイルの変化
- デジタルトランスフォーメーション
- リユース・リフィル
- おわりに
- 2050年に目指したい容器包装の姿
第2部 食品包装・容器向けバリアフィルムの特性と用途
(2022年7月21日 14:00〜15:10)
食品包装にプラスチックが使用される為には、その保存特性を担保する為にバリア材料の使用が必要です。従来はその為にラミネート材料としてアルミ箔が使用されていましたが、種々のバリアフィルムの開発により、現在は多様な用途にプラスチック包装が利用されています。
本講演では、食品包装に使用されるバリアフィルムの特徴とそのバリア特性について説明します。またEVOH、塩化ビニリデン等のハイバリアプラスチックフィルム、プラスチック基材に薄膜コーティングしてバリア性を付与したバリアフィルムについて概説し、実際の使用例についても御紹介します。
- ハイバリアフィルムの特性と用途
- プラスチックフィルムのバリア性理論
- 無機、金属蒸着フィルムの特性と用途
- EVOHの特性と用途
- 塩化ビニリデンの特性と用途
- バリアレベルと基本特性と食品用途
- 必要なバリアレベルと基本特性
- 食品用途別に適用されるバリアフィルム
- バリア関連機能性包材の種類と食品への使用法・利点
- ナイロン系バリア包材
- 共押出バリアフィルム
- (共押出) シーラントフィルム
- 食品用途ハイバリアプラスチックフィルムの開発動向
第3部 紙製容器包装の開発およびリサイクルの取り組み事例
(2022年7月21日 15:20〜16:30)
包装業界や食品業界に限らず、すべての産業界において、「サステナビリティ (持続可能性) 」「気候変動 (CO2排出量) 」「廃棄物処理 (海洋プラスチック問題等) 」は、地球環境における普遍的な課題として挙げられる。
本講座の前半では、パッケージに関するこれら課題に対する国内外の動向、紙素材の特徴と環境特性、包装に求められる機能を説明する。
前半で説明した背景や基本情報を踏まえて、後半では紙をベースとした容器・包装の開発や紙容器リサイクルの事例を紹介し、課題解決に対する紙の貢献可能性について述べる。
- 包装を取り巻く環境
- 環境に関する世界的な課題
- 海外の動向
- 国内の動向
- 包装における紙素材の特徴
- 原材料の特徴
- 容器・包装の紙化の意義と方向性
- 紙をベースとした容器・包装の開発事例
- 容器・包装に求められる機能と紙素材への機能付与技術
- 高機能紙素材の開発事例1 バリア紙「シールドプラス®」
- 紙素材の開発事例2 ヒートシール紙「ラミナ®」
- ストローが不要な学校給食向け牛乳パック「スクールPOP®」
- 化粧品・トイレタリー向け紙容器の開発事例 差し替え式紙容器「SPOPS®」
- 紙容器リサイクルの取り組み
- 紙容器のリサイクルに関する取り組み事例
- 紙容器リサイクルの実情と課題
- 使用済み紙パックのアップサイクル事例
- NPO、自治体との連携事例
- おわりに
- これからの包装に求められること – 競争から協業へ -
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