レーザは、数多くの優れた特性があるため、金属の切断、溶接、表面処理から、プラスチック、ゴム、フォームなどの有機材料の加工にまでアプリケーションが拡大している。
例えば、レーザは指向性と集光性が良いため、微細加工幅あるいは微細加工面積での加工が可能であり、最近は紫外域の短波長レーザーや短パルスレーザーを用いて更に加工精度の改善がされている。また、レーザービームをレンズに集光することにより高密度エネルギーを得られるので、ほとんどの材料 (金属、ガラス、有機材料など) を溶融もしくは
蒸発させることができる。更に、TIG 溶接やMIG 溶接と比べ、溶融ビート幅が狭く溶融深さが大きく、熱影響層や溶接ひずみの小さい接合が可能である。
レーザー加工では、このように小領域にエネルギーを集中し、非常に効率的に材料の溶融あるいは蒸発を起こすので、切断速度や溶接速度を大きくすることもでき、光合成、光分解、合金元素添加、化学反応の利用も可能である。レーザ加工技術は産業界の発展に大きく寄与していく、これからの技術であると考えられる。
本セミナーでは、各種分野で適用可能な主なレーザ加工技術 (接合、肉盛、切断、表面熱処理、ピーニング、その他) について原理、特徴などを説明する。また、自動車をはじめとして、原子力発電設備など各種分野への適用事例について述べる。更に、最近の新技術についても紹介する。本セミナーは各種製造メーカーで、設計・製造に携わる技術者に大いに役立つと考える。
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