製造業における生産性向上・品質改善を実現するためのデータ活用術

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バズワードに振り回されている場合ではない。生産性向上や品質改善を実現するためには、設備や製品に関する知識とデータを活用しなければならず、そのための方法を身に付ける必要がある。製造現場で成果をあげるために、最先端の方法が必要とは限らない。むしろ、適用実績の豊富な方法を自分の道具箱に入れておき、道具を適材適所で使うことが大切である。目標を達成できるのであれば、手法やモデルはできるだけ単純な方がよい。  そのような観点から、本講座の基礎編では、最低限知っておくべきデータ解析手法を解説し、それらを使用する際に注意すべきこと (弱点) を指摘する。また、地味だが重要なデータ前処理にも触れる。その上で、応用編では、産業応用事例を紹介しながら、実際に現場で役立つデータ活用術を紹介する。

  1. はじめに:製造業におけるデータ活用について
  2. 基礎編1:最低限知っておきたい線形モデル構築方法
    1. 重回帰分析
    2. 線形判別分析
    3. 主成分分析
    4. 多重共線性の問題
    5. Ridge回帰とLasso回帰
    6. Partial Least Squares (PLS) 回帰
  3. 基礎編2:道具箱に入れておきたい非線形モデル構築方法
    1. ガウス過程回帰:バラツキを予測する
    2. Random Forest:多数決で精度を高める
  4. 基礎編3:最低限実行するべきデータ前処理
    1. データを見る
    2. 外れ値を検出する
    3. 入力変数を選択する (変数重要度)
  5. 応用編1:仮想計測・ソフトセンサー
    1. 仮想計測・ソフトセンサーの役割
    2. 実用上の課題
    3. Just-In-Timeモデル:装置や原料の特性変化に対応する
      • 事例:半導体プロセス,製薬プロセス
    4. 製品品質の推定制御:局所PLSとモデル予測制御を活用する
      • 事例:石油化学プロセス
    5. 転移学習 (FEHDA) :モデル再構築期間を短縮する
      • 事例:トナー製造プロセス)
    6. 操業条件最適化:いかに効率的に良い操業条件を求めるか
  6. 応用編2:異常検出
    1. 統計的プロセス管理 (SPC)
    2. 多変量統計的プロセス管理 (MSPC)
      • 事例:鉄鋼プロセス
    3. 非線形性に対応した異常検出方法
      • 近傍法
      • one-class SVM
      • Autoencoder
  7. 応用編3:グレイボックスモデル
    1. 物理モデル+統計モデル=グレイボックスモデル
    2. グレイボックスモデルによる予測と最適条件導出
      • 事例:鉄鋼プロセス
  8. おわりに
    1. まとめ
    2. データ活用で大切なこと

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