リチウムイオン電池の正極・負極 "活物質技術" 徹底解説セミナー

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本セミナーでは、リチウムイオン電池の正極・負極材料の最適な組み合わせ、活物質の表面改質技術について詳細に解説いたします。

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プログラム

第1部 リチウムイオン電池正極・負極活物質の開発動向と電池特性

(2012年5月17日 10:30~12:00)

 リチウムイオン電池は、1991年に携帯型情報機器向けに製品化に成功して以来、民生小形用途を中心に性能と安全性の向上によって発展してきた。これらの発展には、正極や負極の発展が大きく貢献している。最近では自動車の電動化の進展にともない、電動車両用途に向けたリチウムイオン電池の応用も進んでいる。  本講では、リチウムイオン電池の正極および負極の特に電動車両用途に向けた開発動向について概説する。また、リチウムイオン電池を超える高いエネルギー密度を持つ蓄電池系として、多価カチオン電池やLi/S固体電池、金属-空気二次電池などの研究開発が精力的に行われており、それらの電池系についても開発状況を紹介する。

  1. リチウムイオン電池の登場とその発展 (1991年以後)
  2. リチウムイオン電池用電極材料の現状・開発動向
    1. 負極材料
      1. 黒鉛・炭素系負極 (ハードカーボンを含む)
      2. 合金系負極
      3. 酸化チタン系負極
    2. 正極材料
      1. 酸化物系正極
      2. ポリアニオン系正極
  3. ポストリチウムイオン電池 (Beyond LIB) の可能性を持つ電池系
    1. 多価カチオン電池 (マグネシウムイオン電池を例に)
    2. Li/S 系電池
      1. 液体電解質電池の可能性
      2. 無機固体電解質電池 (全固体電池)
    3. 金属-空気電池
      1. リチウム-空気電池
      2. 水溶液電解質を用いた金属ー空気電池 (亜鉛-空気電池)
  4. まとめ

第2部 リチウムイオン電池の正極・負極活物質表面改質技術

(2012年5月17日 12:45~14:45)

 リチウムイオン二次電池は、エネルギー貯蔵デバイスとして発展を続けている。このデバイスの主要材料である正・負極の活物質は、優れた材料が開発されて来ているが、さらに改善されるべき課題も存在する。この課題の改善方法として表面改質がある。  この表面改質によれば、材料粒子の表面のみの僅かな改質で粒子全体の特性を改善でき、弊害が少なく大きな効果を得ることができ、今後の電池の発展を支える重要技術である。本講では、正・負極の活物質について、それぞれの課題とそれに対応した表面改質技術について解説する。

  1. はじめに
    1. 実用的表面とは
    2. 活物質の表面改質の目的・効果
  2. LiCoO2の表面改質
    1. 高充電圧化による容量向上
    2. 活物質による被覆処理
      1. Li (NiCoMn) O2
      2. LiMn2O4
    3. 金属酸化物による被覆処理
      1. ZrO2
      2. Al2O3
      3. MgO, TiO2, SiO2, ZnO
  3. LiNiO2の表面改質
    1. 活物質による被覆処理 (Core-shell型活物質)
    2. 金属酸化物による被覆処理
      1. ZrO2
      2. TiO2
      3. その他
  4. LiMn2O4の表面改質
    1. 活物質による被覆処理
      1. LiCoO2
      2. スピネル系活物質
    2. 金属酸化物による被覆処理
      1. SiO2
      2. ZrO2, ZnO, CeO2
    3. 導電性材料による被覆処理
  5. LiFePO4の表面改質
    1. 導電性向上技術の位置付け
    2. 炭素質導電層の形成処理
    3. 非炭素質導電層の形成処理
      1. 金属材料導電層の形成処理
      2. リチウムイオン導電層の形成処理
  6. Li4Ti5O12の表面改質
    1. 炭素質導電層の形成処理
    2. 非炭素質導電層の形成処理
      1. 金属導電材料による被覆処理
      2. 非金属導電層の形成処理
  7. 炭素質電極活物質の表面改質
    1. 表面の化学的改質
      1. 表面酸化処理
      2. 表面フッ素化処理
    2. 炭素質の被着処理
    3. 非炭素質の被着処理
      1. 金属・金属酸化物の被着処理
      2. 有機高分子材料の被着処理
      3. SEI の形成と制御
  8. まとめ

第3部 リチウムイオン電池の寿命と活物質劣化およびその評価

(2012年5月17日 15:00~16:30)

 リチウムイオン電池の寿命は電池の抵抗増加と容量減少に分類される。自動車用では特に抵
抗上昇、すなわちパワーの低下が電池の寿命を支配する可能性が大きい。  本講演では、特に高温での耐久による電池の抵抗上昇について、電池の抵抗の測定法、抵抗の分類法、電池の抵抗増加部位を特定する方法を述べる。  また、電池の抵抗増加の原因となる電極活物質、特に正極活物質の変化について概説する。耐久による正極活物質変化の解析法についても、TEM、EELS、XAFS法などについて実際の解析を素に述べる。得られた結果から、抵抗増加を抑制する手法についてもこれまでの例を参考にしながら説明を加える。

  1. 電池と電気自動車
  2. リチウムイオン電池とは
    1. リチウムイオン電池の性能
    2. リチウムイオン電池 (電極) の構造
    3. リチウムイオン電池材料 (正負極、セパレーターなど)
  3. リチウムイオン電池の高温耐久試験
    1. 高温サイクル耐久試験
    2. 高温保存耐久試験
  4. リチウムイオン電池の劣化解析
    1. 容量減少と抵抗増加
    2. 電池内の抵抗の種類
    3. 抵抗増加場所の特定 (電気化学解析)
      交流インピーダンス法、3極式電池法などを主体に
    4. 抵抗増加と活物質変化 (物理分析)
      TEM, EELS, XAFSなどを主体に
  5. 抵抗増加の抑制法
    1. 活物質の改良
    2. 使用面からの対策
  6. まとめ

会場

品川区立総合区民会館 きゅりあん
140-0011 東京都 品川区 東大井5丁目18-1
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