ハイエントロピー合金の基礎・特徴と鋳造合金としての研究開発事例

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本セミナーでは、延性・靭性に優れ、一般的な合金と比べて高い高温強度・熱的安定性・耐食性などを示す金属新素材の「ハイエントロピー合金」について取り上げ、ハイエントロピー合金の定義や分類といった基礎から、特徴、鋳造合金としての各種研究開発の現状までを詳しく解説いたします。

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プログラム

ハイエントロピー合金は、一般的に5成分以上の構成元素から構成され、かつエントロピーを増大させるため等原子組成比に近い組成となる金属新素材である。これまで次世代構造材料として注目されてきた「アモルファス合金」・「金属ガラス」・「金属間化合物」等と異なり、基本的に延性に優れた材料であると分類することができ、「延性に優れた金属材料の高強度化」というベクトルで開発が進むという意味でも、新たな方向性のもとで研究開発が進む金属新素材である。  本講演では、ハイエントロピー合金の基礎概念である「エントロピーを増大させる意味」、「元素の多様性と不均一性」について解説したのち、元素を原子尺度で混合するという意味でハイエントロピー合金試料・バルク材作製のメインルートである「鋳造法」に注目した研究開発の現状について報告する。

  1. ハイエントロピー合金の定義と分類
    1. 構成元素の数と組成による定義、エントロピーによる定義
    2. 成分数の「5」や「1.5R」の意味
    3. ハイエントロピー合金の分類
  2. エントロピーを増大させる意味
    1. ハイエントロピー合金が注目されるに至ったナノ双晶による高強度・高延性の達成
    2. 4つのコア効果
    3. 鋳造合金におけるエントロピーの増大による強度の増加
    4. 元素の多様性と不均一性による特殊効果の発現
  3. 鋳造合金としての研究・開発
    1. 共晶ハイエントロピー合金
    2. ハイエントロピー黄銅
    3. 生体用ハイエントロピー合金
    4. 軽量ハイエントロピー合金
    5. ハイエントロピー鋳鉄
  4. まとめ

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