PCR法を超える新規DNA増幅法

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本セミナーでは、PCR法を超える核酸増幅法、セルフリーで行う長鎖DNA増幅を可能にする技術について解説いたします。

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プログラム

第1部 反応時間を大幅に減少したRPA法を用いたDNA増幅

(2022年7月11日 10:30〜12:30)

 核酸検査は核酸抽出、核酸増幅、検出の3工程から成ります。臨床診断では、検体は大病院や検査センターに移送され、この3工程が行われます。高価な装置が必要なため、先進国でも設備環境が整った大病院、検査センターでしか効率よく行えません。今後、核酸検査を現場や新興国で普及させるには、新たな技術が求められています。リコンビナーゼポリメラーゼ増幅 (RPA) 法は2006年に報告された40°C付近の一定温度でのDNA増幅法で、熱変性の代わりにリコンビナーゼと一本鎖DNA結合タンパク質を用います。  本講演では、RPA法の概要と動向や、講演者が行った研究開発を中心として、核酸検査について話します。

  1. 核酸検査全般
    1. 核酸抽出、核酸増幅および検出
    2. DNA増幅法とRNA増幅法
    3. 一定温度増幅法
  2. RPA法の概要と動向
    1. 原理
    2. 技術開発
    3. 特許
    4. 市場
  3. RPA法の研究開発
    1. 酵素の生産
    2. 試薬組成の最適化
    3. SARS-CoV-2の検出
    4. 核酸抽出
    5. 検出

第2部 大腸菌を用いないRCR法を用いた長鎖DNA増幅法

(2022年7月11日 13:30〜16:00)

 PCR法を用いたDNA増幅におけるさまざまな課題を解決する全く新しいDNA増幅法を紹介する。我々は大腸菌のゲノムを複製する酵素反応を26種の精製タンパク質を用いて再構成する中で、複製サイクル再構成系 (RCR) を開発した。この系では環状DNAを30oCで保温するだけで、環状DNA分子の指数的な増幅が達成される。従来のPCRでは増幅困難なメガサイズレベルの長鎖DNAや、GC含有率の高いDNA、繰り返し配列などの増幅も可能である。  本手法を利用したセルフリークローニングや遺伝子診断用途などの展開が期待される。

  1. 従来のDNA増幅法とその課題
    1. 大腸菌を用いたDNAクローニングとその課題
    2. PCRを用いたDNA増幅とその課題
    3. ローリングサークル型DNA増幅 (RCA) とその課題
  2. 大腸菌のゲノム複製を完全に再現した複製サイクル再構成系 (RCR)
    1. 大腸菌のゲノム複製機構
    2. 複製サイクル再構成系の特性
      1. 増幅能力 (3時間で数十億倍)
      2. 分子DNAからの増幅
      3. 最高性能の増幅正確性
      4. GC含有率、AT含有率の高いDNAの増幅
      5. 繰り返し配列の増幅
      6. メガサイズレベルの長鎖DNAの増幅
  3. RPA法の研究開発
    1. 酵素の生産
    2. 試薬組成の最適化
    3. SARS-CoV-2の検出
    4. 核酸抽出
    5. 検出

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