計測インフォマティクスにおけるデータ解析の進め方と解釈

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第1部 スパースモデリングによる特徴量の抽出と刈り込みによる計測インフォマティクスへの展開

(2022年7月19日 10:00〜12:00)

 昨今、マテリアルズDXの必要性が企業においても認識され、積極的な研究開発、実データへの応用が進んでいます。その中で、マテリアルズDXを行うための解析プログラムについては豊富なのですが、個々のデータに対して何を入力するべきなのか、得られた結果をどう解釈するのかについては現場レベルで問題になることが多いかと思います。特に、手元にある大量の計測データに対して、どのようにデータ解析を行うべきなのか、計測インフォマティクスの第一歩を本講演ではお伝えしたいと思います。  本講演では、計測インフォマティクスによって大量の計測データからどのように重要な特徴を抽出し、その選別をするのか特徴量エンジニアリングの基礎について解説し、材料開発へどのように展開すべきかを講義します。具体的には、特徴量エンジニアリングの中でも重要な、主成分分析 (行列分解) やスパースモデリング手法についても取り上げ、Pythonによる実践方法とともに説明します。本講義を通して、マテリアルズDXへの成功事例への足がかりとなれば幸いです。

  1. マテリアルズDXの現状と、特徴量エンジニアリングの必要性
    1. マテリアルズDXとは?
      これまでのマテリアルズ・インフォマティクス、計測インフォマティクスとの関係
    2. 特徴量エンジニアリングとは?なぜマテリアルズDXにおける重要性
  2. スパースモデリングによる特徴量選択の基礎
    1. 機械学習の基礎
    2. 汎化性能と交差検定法による評価
    3. スパースモデリングの基礎
    4. スパースモデリングの標準的手法および最新の動向
    5. Pythonによる特徴量選択の実装のためのチュートリアル
  3. 画像処理を用いた特徴量抽出の基礎
    1. 行列分解による画像特徴量抽出
    2. スパースモデリングによる特徴量抽出
    3. Pythonによる特徴量抽出の実装のためのチュートリアル
  4. マテリアルズDXへ向けた特徴量エンジニアリングの展開
    1. マテリアルズインフォマティクスにおける特徴量エンジニアリング展開
      - リチウムイオン電池の電解液材料探索への応用 -
      1. 計算科学的アプローチと情報科学的アプローチの融合による効率的な材料探索に向けて
      2. スパースモデリングによる機能を予測する記述子抽出
      3. 記述子をコントロールした機能予測
    2. 計測インフォマティクスにおける特徴量エンジニアリング展開
      - 放射光データ解析への応用 -
      1. 物理モデルから有効な特徴量を抽出する
      2. 計測データから、物質の内部構造を如何に同定するか?
      3. ベイズ推論を用いた、計測データからのモデル選択について
  5. マテリアルズDXにおける今後の展望について

第2部 インフォマティクスによるスペクトル解析と物性予測

(2022年7月19日 12:45〜14:45)

 物質・材料の構造や化学状態を正確に把握し、新材料の開発や物性予測に活用するため、物質・材料の計測は不可欠である。インフォマティクス活用により、物質・材料の計測・解析をデジタル化することにより、高精度かつ高速に物性予測を行うことが期待されている。一方で計測スペクトルの解析においては、従来の方法では熟練が必要とされており、熟練者の経験や勘に基づいた高度なスキルが要求されるため、そのデジタル化は困難であった。  本講演では、機械学習技術を用いた計測およびデータ解析により、スペクトル解析と物性予測を高精度かつ高効率で自動化さできることを、基礎的な方法論と計測および解析の具体的な事例紹介により解説する。

  1. 計測とマテリアルズ・インフォマティクス
    • 材料の計測とは
    • 計測の最適化:材料計測における最適実験計画
    • 計測の効率化
    • 計測の自動化
  2. 機械学習を用いたスペクトル計測データ解析と物性予測
    • 次元削減によるスペクトル計測データ解析
    • スペクトル計測データから物性を予測するための方法論
    • 最適化を用いたスペクトル計測データ解析の自動化

第3部 計測インフォマティクス技術の材料科学領域への適用

〜機械学習に基づく実験計画の方法と実践〜

(2022年7月19日 15:00〜16:30)

 深層学習をはじめとする多くの機械学習の方法は、データが大量に取得できる問題に対しては非常に強力なツールとして普及しています。一方、材料科学や医学などデータの取得に無視できないコストのかかる問題に対しても,少ないデータを有効活用するための機械学習の方法、特にデータ駆動型の機械学習アプローチ、が広く研究されています。データ駆動型のアプローチでは、データ分析の方法だけでなくデータ収集の方法も考察および最適化の対象とするのが特徴です。特に後者の性質は、データ取得コストが高い分野においては重要な意味を持ちます。  本発表では、ベイズ最適化を中心に能動学習 (active learning) と呼ばれるデータ駆動型の機械学習手法を紹介し、実問題への適用例について解説したいと思います。

  1. はじめに
    • 導入と実験の数学的モデル
    • 能動学習の定式化
    • Toy dataによる能動学習のデモ
  2. 能動学習のための機械学習モデル
    • 線形回帰モデルとベイズ線形回帰モデル
    • ガウス過程回帰モデル
    • ガウス過程回帰モデルに基づく回帰のための能動学習
  3. ベイズ最適化の基礎
    • ベイズ最適化の基本アルゴリズム
    • 獲得関数設計
    • ベイズ最適化の実行例
  4. レベル集合推定のための能動学習
    • レベル集合推定問題の定式化
    • レベル集合の判定方法
    • レベル集合推定のための獲得関数
  5. 事例紹介
    • 太陽光電池用シリコンインゴットの低品質領域の推定
    • シリコンエピタキシャル成長プロセスの最適化
    • 抗がん剤第1相試験における最大耐用量の同定

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