本セミナーでは、キャパシタの基礎から応用までを解説する。
【基礎編】高エネルギー密度と高パワー密度を両立させた次世代キャパシタ (第2世代・第3世代) の最新動向を紹介する。その背景として、近年の材料技術の進化、特に電池材料とキャパシタ材料をナノレベルで融合・ハイブリッド化する新しい材料合成方法やポストリチウムイオン電池向けたその可能性の広がりについても述べる。
【応用編】気象変動に対応した太陽光発電システムとキャパシタによる著しい自立化向上について紹介する。日本は、2030年までの再エネ36〜38% (PV割合14~16%) を目標とし、PV導入率はFIT政策も手伝って7.9%までに伸びたが、さらなる向上には多くの困難を抱えている。キャパシタを有効に取り入れたPCS設計により、今まで太陽電池に捨てられてきた微弱光発電による微弱電力を余すことなく回収 (蓄電) を可能としたオールウェザー・オールシーズン・オールロケーション型の新システムを解説する。これは、近年の曇天・雨天が極端に長く続く異常気象、即ち、現行の太陽光発電システムに対し天候依存性や気象変動による太陽光発電量の不安定を緩和・解消できる新たなソリューションとなりうる。さらにシステムの省スペース化・コスト化を目指した第2世代NanoHybrid Capacitor (NHC) や第3世代SuperRedox Capacitor (SRC) を導入した環境省プロジェクトやJST重点戦略プロジェクトなどの具体的な実証例についても述べる。
- キャパシタとは
- キャパシタと電池
- キャパシタの構造とその特徴
- キャパシタの進化と深化
- 第1世代キャパシタの考え方
- 耐電圧とキャパシタ容量の関係
- カーボン電極 (活性炭・CNT) とその細孔分布
- EDLC電極の耐久性と劣化反応
- 第2世代キャパシタの考え方
- 電池とキャパシタのハイブリッド化
- 超遠心ナノハイブリッド技術とサイズ効果
- 電池材料の超高速化とナノカーボンによる安定化
- 負極Li4Ti5O12のナノシート化と導電性の付与
- 導電性Li4Ti5O12の量産化パイロットプラント
- 第2世代NHC:LTO/活性炭の構築
- 第3世代キャパシタの考え方
- リチウムイオン電池の高速化
- 第3世代スーパーレドックスキャパシタ (SRC) の概念
- 超高速負極材料Li3V0.8Si0.2O4 (LVSiO) の開発
- 超高速正極材料Li3V2 (PO4) 3 (LVP) の開発
- 第3世代SRC: LVSiO//LVPの性能と耐久性
- 次世代キャパシタの活用
- 政府の目標値とSDGs
- 気象変動と再エネ自立化に向けた太陽光発電と微弱光回収システム
- 微弱電流に対応した超低損出SiC – PCS回路の開発
- 第2世代NHCを用いた環境省CO2削減プロジェクト
- 晴天・雨天・曇天における微弱光回収と利用率の向上
- 第2世代NHCによる太陽光利用率向上と季節変動
- 第3世代SRCを用いたJST重点戦略テーマ
- 第3世代SRCの特殊なバイポーラー構造
- 第3世代SRCによる長期サイクル性とモジュール小型化
- 新産業および新事業創出の可能性
- 雲の量が多い、島国モンスーン気候の日本の戦略
- 大学におけるGX紹介:オールソーラールーフ化
- ソーラーシェアリング:農業分野、小型風力発電への展開
- 自然発電:植物・微生物発電への展開
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