第1部 炭素電極を用いたペロブスカイト太陽電池の作製と耐久性向上
(2022年7月12日 10:30〜12:00)
印刷プロセスで作製できるペロブスカイト太陽電池であるが、一般的な薄膜型ペロブスカイト太陽電池では太陽光エネルギー変換効率が20%を超えるものの、非常に湿度に弱いという欠点があった。それに対し、貴金属を使用しない炭素電極を使用した多層多孔質電極を使用したペロブスカイト太陽電池 (multi-porous-layered electrode perovskite solar cells: MPLE-PSC) は非常に高い耐久性を示し、通常大気下 (グローブボックスやドライルームを使用しない) で製造出来る事から、今後の実用性の高いエネルギーデバイスであると期待される。
本発表では、ペロブスカイト太陽電池の歴史的発明経緯から、ペロブスカイト太陽電池の一般的な知識、およびMPLE-PSCの作製、耐久性および大型化について解説を行う。また、ペロブスカイト太陽電池のリサイクル性についても解説を行う。
- ペロブスカイト太陽電池の歴史
- ペロブスカイト結晶について
- ペロブスカイト太陽電池の発見
- 炭素電極を使用した多層多孔質電極を使用したペロブスカイト太陽電池
- 炭素電極を使用した多層多孔質電極を使用したペロブスカイト太陽電池の耐久性向上について
- 炭素電極を使用した多層多孔質電極を使用したペロブスカイト太陽電池の変換効率向上について
- 炭素電極を使用した多層多孔質電極を使用したペロブスカイト太陽電池の大型化 (モジュール作製) について
- ペロブスカイト太陽電池のリサイクルについて
第2部 ペロブスカイト太陽電池の高効率化、高耐久化とその材料開発
(2022年7月12日 13:00〜14:30)
次世代太陽電池として注目されているペロブスカイト太陽電池は、溶液塗布による簡便なプロセスで作製でき、25%の高いエネルギー変換効率を示すことから次世代太陽電池として注目を集めています。
本講演では、ペロブスカイト太陽電池に関して、基礎的な知識と、材料開発の観点から近年の研究動向について解説し、実用化までの課題と、現時点でどのような技術が開発されているのか理解していただくことを目的とします。
- ペロブスカイト太陽電池の特徴と課題
- 発電の仕組み
- ペロブスカイト太陽電池の作製方法
- ペロブスカイト太陽電池の長所と課題
- ペロブスカイト太陽電池の高効率化技術
- 電荷輸送材料の種類
- ペロブスカイトの組成
- ペロブスカイト結晶の生成方法
- 界面における再結合と界面修飾技術
- ペロブスカイト太陽電池の高耐久化技術
- 電荷輸送材料の耐久性
- ペロブスカイトの耐久性
- ペロブスカイト太陽電池の将来展望
第3部 大気雰囲気下でのペロブスカイト太陽電池の作製技術とその特性
(2022年7月12日 14:45〜16:15)
ペロブスカイト太陽電池の作製におけるエアフロー効果について説明する。夏季は湿度が高いため、良質なペロブスカイト膜が作製できないので、冬季に比べて太陽電池特性が良好でない。通常大気雰囲気では20°Cでは17.3 g/cm3の湿度であるが、高圧ボンベでは0.17 g/cm3と三桁も低いし、この湿度は冬季に比べても低い。これを成膜時にペロブスカイト膜に照射することにより、欠陥の少ないペロブスカイト膜が形成できる。
本手法では高性能なペロブスカイト太陽電池作製は無理であるが、低コストなセル作製には有効である。
- 太陽電池の必要性とペロブスカイト太陽電池の位置付け
- カーボンニュートラルと太陽電池
- ペロブスカイト太陽電池への期待
- ペロブスカイト太陽電池の大気雰囲気下作製
- エアフロー効果 2ステップ法
- エアフロー効果 最適な膜質形成に向けて
- エアフロー効果 1ステップ法
- エアフローの実際
- エアフローとソルベントアニール法
- ソルベントアニールと添加剤効果
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