生分解、バイオマス繊維の開発と応用

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本セミナーでは、生分解プラスチックについて基礎から解説いたします。
生分解のメカニズム、生分解性の評価法、市販される生分解プラスチックの種類と課題、生分解プラスチックを利用した製品の開発の必須事項を詳解いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 ナノセルロースの特徴と最新応用事例

(2022年7月6日 10:00〜11:30)

 セルロースナノファイバー (CNF) の製造・サンプル提供企業も増え、低コスト化量産技術開発段階になり商業生産も始まっています。 応用事例も多くの分野から出て来ています。  本講では、CNFの特徴とその製造供給状況並びに多種多様な最新応用事例をご紹介します。

  1. ナノセルロースの種類・特徴及び製法・生産状況等について
    1. セルロースナノファイバー (CNF) の特徴とその製法及び原料
      1. TEMPO等酸化セルロースナノファイバー (化学処理/解繊)
      2. セルロースナノファイバー (機械的解繊)
      3. カルボキシル化セルロースナノファイバー (化学処理/解繊)
    2. セルロースナノクリスタル (CNC) の特徴とその製法
    3. バクテリアセルロースの特徴とその製法
    4. キチンナノファイバーの特徴とその製法
    5. 現在サンプル供給しているCNFメーカー22社の特徴
  2. CNF強化複合材「京都プロセス」品のご紹介
    1. 年ぶりに刷新された「CNFロードマップ」のご説明
  3. CNFを使用した最新の応用事例<商品化事例>
    1. 水性ゲルインク・ボールペン
    2. 消臭機能増大・大人用紙おむつ
    3. トイレクリーナー
    4. スピーカーコーン (バクテリアセルロース応用又はCNF応用)
    5. 食品 (どら焼き等) における食感維持/改良・伸び抑制・保形性・離水抑制・パンク抑制・温度耐性・電子レンジ加熱耐性・歯切れ向上・老化抑制等
    6. 化粧品のゲル化剤等
    7. ランニングシューズのミッドソール材
    8. 生コンクリート圧送先行剤
    9. 透光性磁器鋳込み成型時の脱型助剤及び製品表面のマット化
    10. 自動車タイヤ
    11. 卓球ラケット
    12. CNF混合漆喰
    13. CNF添加研削用砥石

第2部 バイオナイロンの合成、特性制御とその繊維化

(2022年7月6日 12:10〜13:40)

 アメリカエネルギー省の掲げる重要物質の一つであるイタコン酸への付加反応と縮合反応を同時に誘起することでピロリドン環を主鎖中に有するナイロンを合成した。このナイロンは一般のナイロンよりも高い熱的力学的物性を示すだけでなく、土壌分解性や光誘起加水分解性などの特徴的な分解性を示した。

  1. プラスチックごみ問題の本当の問題点は?
  2. 生体分子の構造と可能性
    1. 高分子科学者から見た分類
    2. 多官能性分子種としての生体分子
    3. 生体分子の構造を致した高分子設計の例
  3. 一般的なナイロンの合成と分解性
    1. 従来のナイロン
    2. 従来のバイオナイロン
    3. ナイロンの合成法
  4. イタコン酸とは
    1. イタコン酸の従来の分野
    2. イタコン酸の生産に関して
    3. イタコン酸の重合の例
  5. イタコン酸由来バイオナイロン
    1. 塩モノマーを用いた合成法
    2. 特異な熱力学的物性
    3. 従来ナイロンへの活用
    4. スイッチ型分解性
  6. バイオナイロン繊維の作成
    1. ナイロン繊維の現状
    2. 溶融紡糸・延伸条件の最適化
  7. 今後の展望
    1. プラスチックごみ問題解決への貢献
    2. SDGsへの貢献
    3. ムーンショット課題としての展望
    4. ポストムーンショットを見据えて

第3部 海洋分解性繊維の開発と生分解性スイッチ機能の付与

(2022年7月6日 13:50〜15:20)

 石油資源の枯渇、プラスチック焼却に伴う地球温暖化、海洋マイクロプラスチックに代表されるプラスチックごみ問題など、プラスチックと環境および人類との共存・共栄を様々な観点から考える必要があります。  バイオプラスチックとは、石油を原料とせず、再生産可能なバイオマスを出発原料した「バイオマスプラスチック」と環境中で二酸化炭素と水にまで完全に分解される「生分解性プラスチック」の総称です。  本講では、バイオマスから生産され、環境中で分解する「生分解性バイオマスプラスチック」から当研究室で開発した高強度繊維・伸縮性繊維の物性、大型放射光を用いた構造解析、環境および酵素分解性について紹介します。さらに、最近開発に成功した生分解性開始スイッチ機能についても紹介します。

  1. 微生物産生ポリエステルの基礎物性
  2. 微生物産生ポリエステルからの高強度繊維および伸縮性繊維の開発
  3. 生分解性繊維の物性および大型放射光を用いた構造解析
  4. 生分解性繊維の環境及び酵素分解性
  5. ミドリムシが生合成するパラミロンからの高強度繊維の開発
  6. パラミロン高強度繊維の物性および構造解析
  7. 様々な高分子多糖類からの高性能部材の開発
  8. 多糖類エステル誘導体の環境分解性評価
  9. 生分解性スイッチ機能の開発

第4部 生分解性・バイオマス素材を用いた繊維製品開発の取り組み

(2022年7月6日 15:30〜17:00)

 生分解性・バイオマス素材に関する情報の提供と、ユニチカトレーディング株式会社で取り組んでいる、サステナブルに関する取り組み。

  1. カーボンニュートラルの背景
    1. 昨今のカーボンニュートラルへの動き
    2. ユニチカトレーディング 株式会社 エコ素材の取り組み方針
  2. ポリ乳酸
    1. 原料特徴
    2. 生分解性の仕組み
    3. 用途・展開
  3. 植物由来ナイロン11
    1. 原料特徴
    2. 特性
    3. 今後の展開
  4. その他の環境配慮への取り組みの紹介
    1. 植物由来PTT樹脂を用いた特殊複重層糸
    2. 部分バイオマス由来原料のナイロン56
    3. リサイクルポリエステル
    4. 常圧カチオン可染糸
    5. マイクロプラスチック対応断熱保温素材
    6. ボタニカル撥水加工素材
    7. リサイクルポリエステルチップを原料とする吸水防汚加工剤

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