社会環境や産業構造の変化に伴って、開発高分子材料の性能・機能の高度化が益々進展している。各種の高分子素材や配合剤を複合化して「多律背反」の複数の物性機能を同時改良する手法は、1980年代以降顕著な進展を見てきたが、2010年代に入って、従来のミクロ分散状態の制御に加えてナノサイズのモルフォロジーをも制御する「第四世代ポリマーアロイ」技術へと進化している。これらの技術を新規ポリマー複合材料開発に活用するためにも、ポリマーアロイ設計の基礎的な考え方や界面制御の現実的な手法を理解することが必要である。
本講では、これらの基礎的な考え方について解説するとともに、実用化材料の開発事例の紹介を行い、更にこの分野の最近の技術開発の動向についても説明する。また、従来から要望の多かった、ポリマーアロイの混練製法に関連する技術、特に機械装置面の内容を新たに章を設けて追加して解説する。
- 混合について – 混ぜる、混ざる、溶け合う
- ポリマーブレンド/ポリマーアロイとは? … 相溶性と相容性
- ポリマーアロイのモルフォロジーとは?
- ミクロ分散とナノ分散、分散粒径を決定する要因
- ポリマーアロイ設計におけるトップダウン戦略とボトムアップ戦略
- 樹脂の耐衝撃強度に対する分散粒径と粒径分布の影響
- ポリマーアロイのモルフォロジーの測定・観察
- ポリマーアロイのモルフォロジーと動的粘弾性の温度依存性
- 相溶性パラメーターとは?
- 相溶性パラメーター (SP値) とは何か?
- ポリマー混合とSP値
- SP値の適用の可能性と限界
- 相容化剤の種類と活用事例
- 相容化の考え方と相容化剤の利用
- 相容化の機構 … 分子論・熱力学的解析事例
- ゴム工業における相容化剤の利用例
- 「最適」相容化剤の分子設計
- 工業化ポリマーアロイ材料の開発史:第一世代ポリマーアロイと第二世代ポリマーアロイ
- リアクティブ プロセッシングと第三世代ポリマーアロイ
- リアクティブ プロセッシングの特徴
- リアクティブプロセッシングのプロセス解析
- 耐衝撃強度/耐熱性/耐薬品性の同時改良樹脂材料の設計
- ポリマーアロイ技術を応用した樹脂ゴム特性改良
- 樹脂ゴム材料 表面外観特性の改良
- ブリード・ブルーム改良技術への応用
- ポリマーアロイの製法 – 混練混合装置に関する技術
- ポリマーの混練・混合と分配・分散
- 混練装置の種類と特性 – 回分操作・連続操作、短軸混練機と二軸混練機
- 最近の「第四世代」ポリマーアロイ技術の動向と将来的技術課題
- 高剪断によるナノモルフォロジーの制御
- 植物由来樹脂への応用
- ナノレベルのモルフォロジー・物性粘弾性解析手法の進歩
- 新規な相溶性ポリマーの開発
- 新規リアルブロック共重合体の合成技術の進歩
- Q&A, 個別案件のコンサルテーション
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 45,000円(税別) / 49,500円(税込) で受講いただけます。
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