第1部 ペプチド、核酸医薬品における原薬製造の進歩逆相HPLCによるペプチド・タンパク質の分離メソッド最適化アプローチ
(2022年6月24日 10:00〜11:00)
次世代医薬品としてペプチドなどの中分子医薬が注目されています。これらの品質管理や特性解析においては、液体クロマトグラフィーが活用されます。
本講演では、逆相モードでペプチド・タンパク質を分離する際の、カラムの選択方法やメソッド設定のポイントをご説明します。また、アミノ酸残基数違いのペプチド、難溶性ペプチド、環状ペプチドなど分離の難易度が高い事例を挙げ、分離メソッド最適化のアプローチ方法をご紹介します。
- ペプチド・タンパク質分離におけるカラムの選択
- 分析メソッド設定のポイント
- 移動相の酸の種類の変更
- 移動相pHの変更
- 分析温度の効果
- 分離メソッド最適化のアプローチ事例
- アミノ酸1残基違いのペプチド
- 環状ペプチド
- 難溶性ペプチド
- ジペプチド
- トリペプチド
第2部 ペプチドのLC分取メソッド開発ノウハウと連続クロマトグラフィーによる効率化
(2022年6月24日 11:00〜12:00)
化学合成により得られるペプチドには目的成分と構造が類似した不純物が多く、分離精製には液体クロマトグラフィー (LC) が多用されています。
本講演ではLC分取へのスケールアップ手順について紹介し、試料負荷量の考え方や考慮すべきポイントについて解説します。また、高純度かつ高回収率を実現する独自の精製プロセスである連続クロマトグラフィーのペプチドへの適用について実例も交えて紹介します。
- 分取LCのメソッド設定とスケールアップ
- 分析スケールでの条件検討
- 負荷量の検討
- スケールアップ
- ペプチドのLC分取事例
→分取LCにおけるメソッド設定や、スケールアップ過程での留意点や考慮すべき事項について実例を交えて紹介します。
- ペプチドの連続クロマトグラフィー精製
- YMCの連続クロマトグラフィー技術の紹介
- 連続クロマトグラフィーによるメリット
- ペプチドへの連続クロマトグラフィーの適用事例の紹介
→YMCの連続クロマトグラフィー精製原理に加え、従来の単カラムによるバッチ精製との比較事例を紹介し、
精製コスト削減の可能性を検証します。
第3部 統合計算化学システム「MOE」によるペプチドの設計技術
(2022年6月24日 13:00〜14:45)
ペプチドは、低分子・抗体に続く医薬品として期待されています。インシリコを用いたペプチド設計は、標的タンパク質との親和性や選択性を向上し、物性改善を行うための効率的なアプローチです。
本講座では、創薬モダリティ研究に対応した分子モデリングソフトウェア「MOE」を用いて、ペプチドの配座解析、物性予測、相互作用解析の面から、その活用事例を中心にお話します。
- ペプチドのモデリング
- 天然および特殊アミノ酸を用いたペプチドモデリング
- 環状ペプチドライブラリーの構築
- ペプチドの立体配座予測
- 物性推算
- ペプチドの物性推算
- ペプチドの安定性
- 細胞膜透過性予測
- ペプチドの分子表面特徴解析
- ペプチドの分子間相互作用解析
- 相互作用界面における特徴づけ
- 標的タンパク質とのドッキングシミュレーション
- ペプチドの変異体解析
- HLAの立体構造を用いた抗原ペプチドスクリーニング
第4部 環状ペプチドとその誘導体による創薬展開
(2022年6月24日 15:00〜17:00)
安全性が高く、微量で薬効を有するペプチドを基にした中分子創薬研究が進んでいます。中でも環状ペプチドはコンフォメーションが固定化されているために、ターゲット分子との強い結合や膜透過性、安定性の向上が期待できます。
本講演はペプチドミメティックを活用した環状ペプチド誘導体の創製と創薬展開について議論します
- ペプチドと医薬品
- 中分子創薬の現状
- ペプチドミメティック
- ペプチド結合等価体 (イソスター) とぺプチドミメティック
- クロロアルケン型ジペプチドイソスター (CADI)
- CADI等のイソスターの合成法
- 環状ペプチド誘導体
- ペプチドミメティックを導入した環状ペプチド
- GPCR二量体の分子プローブと二価型GPCR拮抗剤
- 抗ウイルス剤、抗がん剤への応用展開 (臨床試験第II、III相)
- 中分子ペプチドの展望