中分子・ペプチド・核酸医薬の製剤技術

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本セミナーでは、創薬モダリティに必要な技術となる原液製造・クロマトグラフィー・触媒について解説いたします。
また、中分子・ペプチド・核酸医薬の最新動向について解説いたします。

日時

中止

プログラム

第1部 ケモメトリクスを利用したクロマトグラフィーの精度の評価

(2022年6月23日 10:00〜12:00)

 通常、クロマトグラフィーの精度は、繰返し測定により求めた測定値の相対標準偏差 (RSD) で評価します。  本講演では、確率論に基づくケモメトリクス的手法によって、1本のクロマトグラムからピーク面積のRSDが求められ、精度評価の省力化が図れることを紹介します。さらに、本法を実践するソフトウェアTOCO19を用いれば、精度評価が全自動で行えることを実演。本法の概念は、JIS Z 8462-7に記載されているものになります (測定方法の検出能力 – 第7部 分析機器ノイズの確率論的性質に基づく方法)。

  1. 測定値のばらつきの表し方
    • 正規分布と標準偏差
    • 平均値の信頼区間
    • 標準偏差の信頼区間分析法バリデーションへの応用
      • 精度 (併行精度)
      • 検出限界
      • 定量限界
  2. ケモメトリックスを活用した精度評価
    • Function of Mutual Information (FUMI) 理論の基本
    • JIS Z 8462-7を利用した方法
    • 差分法とソフトウェアTOCO19
  3. TOCO19を利用したクロマトグラフィーの精度評価の実践
    • ピーク面積のRSD・検出限界、定量限界、精度プロファイル
    • 内部標準物質のピーク面積に対する測定対象物質のピーク面積比のRSD
    • グラジエントHPLCの精度評価
    • GC-MSの日常管理への応用
    • TOCO19が適用できない分析機器と分析能パラメーター

第2部 ペプチド、核酸医薬品における原薬製造の進歩

(2022年6月23日 13:00〜15:00)

 近年、ペプチド、核酸医薬に代表される中分子医薬品の開発が盛んにおこなわれています。従来からのペプチド医薬品に加え特殊環状ペプチドやペプチド-核酸コンジュゲーションによる新しい医薬品の開発も行われています。  本セミナーでは、ペプチドや核酸、コンジュゲーション薬について原薬製造の観点から見た中分子薬の進歩について説明します。

  1. ペプチド医薬品、核酸医薬品の概略
  2. ペプチド医薬品の歴史と市場状況
    • シクロスポリンの実用化から研究開発が盛んになった流れ
  3. ペプチド創薬における活性試験用サンプルの合成技術の変遷
    • 液相法→固相法→ファージディスプレー法
  4. ペプチド原薬合成技術の変遷
    • 初期の液相法から汎用性の高いFmoc固相法が主流になるまで
  5. ペプチド原薬合成技術の最近の進歩
    • 新しい液相法
    • マイクロ波
    • 連続精製
    • 膜濃縮
    • 攪拌型凍結乾燥装置
  6. コンジュゲーション体の開発
    • 種々のコンジュゲーション体からペプチド-ペプチドコンジュゲーションまで
  7. 製造面におけるペプチドと核酸の共通点と相違点
  8. ペプチド-核酸コンジュゲーション体脂

第3部 アニオン交換性層状無機水酸化物の特性を駆使した触媒設計と環境調和型有機合成反応への応用

(2022年6月23日 15:00〜17:00)

 「触媒」は物質とエネルギーの変換を掌るマエストロの役割を果たす重要なキーマテリアルです。  目的とする物質変換反応に応じて配位環境や電子状態等、局所構造や電子的状態を精密に制御し、生成物を選択的かつスマートに合成できる触媒活性種を設計する手法を紹介します。

  1. 層状無機水酸化物の特性について
    1. Ni (II) とZn (II) を含む水酸化物シートが積層した層状複塩基性塩
    2. Cu (II) とAl (III) でマトリックスが構成された層状複合水酸化物
    3. 希土類元素の水酸化物ナノシートが積層した層状希土類水酸化物
    4. 上記の構造的な特徴および触媒材料として利用可能な化学的特性
  2. 層状無機水酸化物を用いた触媒材料の開発例
    • 発表者がこれまで開発した触媒の設計コンセプト、特に陰イオン交換反応を鍵とする触媒設計や,高温焼成処理による反応性の高い金属酸化物種の創成法。加えて、インターカレーションによる機能付与について。
      また、各種触媒の合成法と放射光X線を用いた原子レベルでの構造解析・あるいはミリ秒オーダーでの構造変化の追跡について
      手法も含めて紹介します。
  3. アニオン交換性層状無機水酸化物触媒の有機合成反応への応用例
    • 合成した各種触媒を用い、液相での物質変換反応に応用した結果を紹介。
      特に,重金属を含む量論試剤や有機過酸などの酸化剤を用いることなく、空気中の酸素分子を酸化剤として用いることで、水のみを副生する酸化的脱水素反応。
      水溶媒中での炭素-炭素結合形成反応。ギ酸を水素源とする選択的水素化反応を効率良く進行させる触媒の開発成果について、詳細なデータを提供します。

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