LBS はスマホなどのモバイル端末単独だけで完結させることに実は無理がある。デジタルサイネージも同様だ。
両者の親和性は「時間」と「場所」を特定できることにあり、自発性と非自発性、可搬と固定、パーソナルとパブリックといった相互補完性を持っている。
本講では2人の講師による位置情報とデジタルサイネージのメディアやマーケティング領域での活用について考察を行う。
広告やマーケティング視点の話をわかりやすく解説したい。
1. デジタルサイネージ最新事情とグルーバルな位置情報をスーパーローカルで使う
(2012年4月12日 14:00~15:25)
デジタルメディアコンサルタント
デジタルサイネージコンソーシアム 常務理事
江口 靖二(えぐち やすじ) 氏
2012年3月7日から9日にラスベガスで開催される「DSE Digital Signage EXPO 2012」での最新技術の報告と国内外のデジタルサイネージの最新事例を紹介する。
DSEでも毎年さまざまなインタラクションが紹介されるが、LBS連携が注目されている。
これは日本のような無理矢理技術先行で双方向性を利用するのではなく、マーケティング動線と各スクリーンでのユーザー体験を豊かにする目的で考えられている。
- Digital Signage EXPO 2012報告
4年連続で参加することになるので、定点観測的な側面も含めて展示会情報を報告したい。
現地で米国内のDSA、DSFメンバーともミーティングをセットしているのでその内容もあわせてお伝えする。
- 位置情報とデジタルサイネージ
固定されたデジタルサイネージや、既存のテレビ、WEBなどの設置環境の中を、人々は可搬型のモバイル端末を持って日常生活動線上を動きまわる。
デジタルサイネージは時間X場所=状況に最適化されるメディアであるべきで、スマホなどのLBSもまた同じ機能を持ち合わせながら、さらに人に紐づいているという特徴がある。
こうした位置情報とデジタルサイネージの相互補完作用と、これらを利用したコミュニケーション設計について考える。
- 地域情報とデジタルサイネージ
市域の活性化、商店街の活性化。
よく言われる言葉であるが、その多くはローカルテレビ局やケーブルテレビ局が行なってきた、「プチ・マスメディア」しか志向して来てはいない。
これから行うべき地域における情報コミュニケーションとは、かつての駅の伝言板であり、電柱に貼られた迷い犬を探す張り紙であり、ヤフオクには出品されないおばあちゃんの着物だったりすると考えている。
これらを生活動線上で可視化するためのメディア設計について解説する。
- ローカルコミュニケーションメディアの実現に向けて
上記を踏まえ、現在準備を進めているローカルなメディア事業の概要と、その応用系について紹介する。
- 質疑応答/名刺交換
2 LBS位置情報サービスを核とする次世代マーケティングコミュニケーション
(2012年4月12日 15:35~17:00)
(株)インセクト・マイクロエージェンシー
(株)ロケッコ
川村 行治(かわむら ゆきはる) 氏
ロケッコとは、スマートフォンのアプリケーション。
位置情報を活用した、地元系マーケティングプラットフォームサービス。
情報提供者は管理画面から伝えたいユーザーが出没しそうな場所に対して任意に情報をドロップすることができます。
一方ユーザーはスマートフォン上で、ドロップされたエリアに到達することで様々な情報をキャッチすることができます。
自分のキャッチした情報をためておくことや、友人に渡すことができます。
ユーザーのキャッチアクションはソーシャルメディアにフィードがされます。
そのことで、遠くにいる友人にもキャッチした状況をしらせることが出来ます。
このサービスはオリエンテーリングなどの観光案内、地域商店の新たな販促ツールとして活性化のサービスとして考えています。
- マスメディアでの発信者と受信者の役割
ブランドと販促の役割はそもそもひとつ 広告はコミュニケーションの外注化そのことによる功罪
- インターネットにより解放される発信する力と、新しい常識と責任
力を得るかわりに発生する責任と業務 オウンメディアとは何をさすのか
- ロケッコの設計にあたって考えたことと目指す未来
位置情報サービスは何をもたらすと考えているのか
- 位置情報と街のありかた
デジタルサイネージ、IPTVなど様々な形態のスクリーンとのサービス統合と新しい公共(パブリック) の考え方
- 質疑応答/名刺交換