本セミナーでは、データや文書のインテグリティ確保に関する基本的な事項を要点をまとめてわかりやすく解説いたします。
また、データインテグリティSOPのサンプルを配布し、データインテグリティSOPの作成方法を説明いたします。
日時
- 2022年6月30日 13時30分〜 2022年6月30日 16時30分
プログラム
製薬業界においては、患者の安全性を確保するためにデータインテグリティに関心が高まっています。紙媒体であれ、電子記録であれ、記録 (データ) や文書の信頼性を担保することは極めて重要です。改正GMP省令では、データインテグリティに関する手順書の整備が求められます。いったいどんな手順書を作成すれば良いのでしょうか。 データインテグリティに関する手順書は、企業や組織で1冊作成すれば良いというものではありません。現存の関連するすべての手順書にデータインテグリティを保証するための手順を埋め込んでいかなければなりません。インテグリティ (integrity) を辞書で引くと「誠実」という意味であることが分かります。では、データが誠実ということは何を意味するのでしょうか。その答えは、規制当局にとってデータが信用できるということです。そのためには、データは作成されてから現在までの経緯 (例:変更) がわかるようにしておかなければなりません。つまり紙媒体であれ、電子記録であれ監査証跡が必要です。 監査証跡が必要ということは、データが生データだけではなく、メタデータも含めて完全でなければならないということです。したがって、データインテグリティは、「データの完全性」と訳されます。ではいったい、データの完全性を担保するためには、どのような事項に留意するべきなのでしょうか。またデータインテグリティが失われた場合、何が問題になるのでしょうか。 昨今の製薬企業では、記録を手書きにより作成することは非常に少なくなりました。多くの場合、記録は電子で作成されます。記録の保管については電子記録を紙媒体に印刷したものに手書き署名 (記名・捺印) をするといったハイブリッドな使用方法が多くを占めます。しかしながら、ハイブリッドシステムでは不正が容易になってしまいます。つまり電子記録を改竄した後に再印刷し、バックデートで署名するといった手口です。 電子記録と紙媒体の管理はどのように行うべきでしょうか。一方において、FDAは1997年に21 CFR Part11を発行し、電子記録の信頼性に関する要求事項を明らかにしました。しかしながら、その要件には実現が困難なものも多くありました。特に問題となったのは、コンプライアンスコストです。規制当局は、患者の安全性を担保するために規制要件を強化する必要がありますが、規制要件を強化しすぎるとコンプライアンスコストを高める結果となってしまいます。 製薬企業が負ったコンプライアンスコストは薬価に転嫁され、結果的には患者負担となってしまいます。すなわち、いたずらにコンプライアンスコストを高めてしまうことは、逆に患者に負担を強いる結果となってしまうのです。 そこでFDAは、2003年に新しい医薬品監視指導方針として「リスクベースドアプローチ」という方法を発表しました。FDAの最新のPart11の期待と指導はどのようになっているのでしょうか。またFDAの査察官は、どのように電子記録の不正を見破るのでしょうか。 2015年には、イギリスのMHRAが「MHRA Data Integrity Definitions and Expectations」と呼ばれるガイダンスを発行しました。その内容は非常に参考になります。今後は世界の規制当局が同じようにデータインテグリティに関する期待を述べる機会が増えると思われます。 本セミナーでは、データや文書のインテグリティ確保に関する基本的な事項を要点をまとめてわかりやすく解説いたします。またデータインテグリティSOPのサンプルを配布し、データインテグリティSOPの作成方法を説明いたします。
- はじめに
- 改正GMP省令とデータインテグリティ
- GMP省令の改正
- GMP改正案の要点 (具体的内容)
- データインテグリティ入門
- なぜデータインテグリティか?
- データインテグリティが損なわれると何が問題か
- 生データとは
- 生データの管理方法とデータインテグリティ
- 紙媒体の管理方法
- 生データの監査方法と留意事項
- 紙記録と電子記録の相違点と留意事項
- データと文書の管理方法の相違点と留意事項
- データインテグリティとは
- 規制当局の関心事
- インテグリティ (integrity) とは
- データインテグリティとは
- データインテグリティの保証
- データインテグリティ侵害のいくつかの原因
- データインテグリティなぜ企業にとってハードなのか
- データインテグリティのための4つの重要なステップ
- どのような教育? どのようなコミュニケーション?
- どのようにリスクをコミュニケートしているかの例 …. そして関連するインパクト
- 文化と教育は強力なデータ整合性の考え方の基盤である
- 人は常にコントロールの要素である
- リスクを理解する: 既知のリスク領域
- DLCPM*を通じてリスクを理解
- プロセス&システム:リスクの発現を防ぐ
- DI問題に対処する総合的な枠組みの確立
- アウェアネスにより多くの問題に気付く
- 優先順位: 患者および製品品質
- データインテグリティが失われた際のインパクト
- FDAの期待と指導の変遷
- FDAの期待と要求の変遷
- 21 CFR Part11の歴史 (その1)
- 21 CFR Part11の歴史 (その2)
- Compliance Policy Guide 7153.17 (1999.5.13)
- 21 CFR Part 11 Citations
- データインテグリティと不正 – 新たに迫りくる危機か?
- 21 CFR Part 11の査察開始 (再開)
- 背景
- データインテグリティに関する規制要件
- FDAのデータインテグリティガイダンス
- MHRAのデータインテグリティガイダンス
- Guidance on Good Data and Record Management (Draft for Comment)
- Guidance on Good Data and Record Management
- 用語の定義
- リスクマネジメント関連
- 電子生データとは
- 電子データは何回コピーしても“生“である
- 生データとは
- 生データの取り扱い
- (生) データの取り扱い
- 動的データと静的データ
- 電子症例報告書原本の定義 (EDCの場合)
- ALCOAとは
- 1999.4 FDA “Computerized Systems Used in Clinical Trials”
- 2007.5 FDA “Computerized Systems Used in Clinical Investigations”
- リスクベースドアプローチ
- FDA近代化法
- コンプライアンス・コスト・マネジメント
- FDA cGMPs for the 21st Century Initiative
- リスクベースドアプローチとは
- リスクベースドアプローチの効能
- cGMPの改革と21 CFR Part 11の改定
- リスクベースドアプローチの必要性
- 1.Risk Management リスク管理
- 製品とプロセスの理解
- リスクのとらえ方
- リスクマネジメント
- リスクとは
- リスク評価の実際 (R – Map法)
- 重大性と発生確率の低減
- 航空機はなぜ飛ばせることができるのか?
- 発生頻度の確率的表現
- 危害の程度
- 発生頻度
- ヒューマンエラーの一般例
- 一般的なリスクマネジメントプロセス
- ハザード、危害、リスク
- 欠陥モード影響解析 (FMEA:Failure Mode Effective Analysis)
- リスク優先度 (RPN) とは
- FMEAによる詳細なリスクアセスメント
- 欠陥モード影響解析 (FMEA)
- SOPの作成方法
- データインテグリティに関するSOP作成の留意点
- データインテグリティのためのステップ
- 関連する手順書の改訂のための前準備
- 関連する手順書の改訂
- ハイブリッドシステムの問題点
- FDAは、21 CFR Part 11施行に伴い、バリデーションの概念を変えた
- 監査証跡の重要性とは
- 監査証跡を吹っ飛ばす行為には3種類ある
- 紙が正か、電子が正か? よくある主張
- タイプライター・イクスキューズとは (Part11における議論)
- タイプライター・イクスキューズは、日本においても通用しない
- ハイブリッドシステムとは
- ハイブリッドシステムの問題点
- 良くある間違い
- Excelの問題点
- Excelの管理の留意点
- システムが適正にバリデートされれば、電子記録の信頼性は紙媒体よりも高い
- コンピュータ化システムの見直し
- シンプルから複雑なコンピュータ化システムと生データの関係
- データクリティカリティと内在するインテグリティリスクの規定
- データ品質とインテグリティを保証するシステム設計
- Self Inspectionの重要性
- FDAが査察を行う理由
- どんな企業がFDA査察官に安心感を与えるか
- Self Inspectionとデータインテグリティに関するMHRAの期待
- 「Self Inspection」について
- PIC/S GMP Self Inspection (自己点検)
- 監査でみつけられた指摘事項はその扱いが難しい
- 監査担当者の要件
- ヒューマンエラー撲滅に向けた生データ信頼性向上の留意点
- 質疑応答
受講料
- 1名様: 40,000円(税別) / 44,000円(税込)
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