最近の電子装置では、プロセッサのクロック高周波数化をはじめ高速化が進んでおり、対ノイズ設計の要となるグラウンドおよびシールドを高周波の観点で十分加味して設計段階から適切に盛り込むことが必要となります。グラウンドでは、信号の高速化とともにインピーダンスの上昇や共振への対応などの課題が顕在化し、トライアルアンドエラーや1点グラウンドの考え方では解決不可能なケースが非常に多くなっています。また、シールドでは、シールド方法の種類やポイントを知らなかったために、シールド効果が思い通り得られずに耐ノイズやEMI規格を満足できなかったり、大幅なコスト増大が発生したりするケースが見られます。
本セミナーでは、グラウンドとシールドの基本を把握いただき、基板から装置・システムに至るまで実際の設計に効果的に展開できるように、理論と実際をわかりやすく解説するとともに、事例を適宜交えることで理解度を高めます。なお、事例説明では単なる事例紹介に留まらず、事例分析によって応用力を養うことを志向します。
グラウンド
- グラウンドとは
- 電子機器・装置におけるアースの役割
- 電子機器・装置におけるグラウンドの役割
- グラウンドの基本
- 共通インピーダンスによるノイズ誘導
- 1点グラウンドと多点グラウンド
- グラウンド導体の特性 (抵抗とインダクタンス)
- ノイズ伝導の基本 (モードの考え方)
- コモンモード除去の実験例
- 基板におけるグラウンド
- グラウンドの考え方「信号リターン」
- グラウンドの考え方「基準点」
- 基板のグラウンド変動 (平板共振)
- 両面基板のグラウンド設計における課題
- 多層基板のグラウンド設計における課題
- 事例1: 基板グラウンドスリットによるクロストーク
- 事例2: 基板のグラウンド分割による不具合
- 装置におけるグラウンド
- 装置におけるグラウンドの種類
- 装置におけるグラウンドのポイント
- 装置筐体のグラウンドとしての働き
- パワー回路におけるグラウンドのポイント
- <事例1>EMI規格適合への対策事例
- <事例2>シールド端末処理によるEMI低減事例
- システムにおけるグラウンド
- システムにおけるグラウンドの考え方
- 信号ケーブル接続における注意点
- コモンモードノイズの伝搬メカニズム検討
- <事例1>装置間グラウンド電位差による誤動作
- <事例2>ケーブルをFG接続するとデータ異常発生
- 混成グラウンド
- 混成グラウンドの使い方 (高周波多点グラウンド)
- 混成グラウンドの使い方 (低周波多点グラウンド)
シールド
- シールドとは
- シールドの目的と役割
- 空間を伝わる3つの形態
- シールドの基本
- 波動インピーダンスとは
- 波動インピーダンスとシールドの関係
- 静電シールド
- 静電シールドの原理
- 静電シールド適用のポイント
- 事例: 静電シールドによるノイズ誘導対策
- 磁気シールド
- 磁気シールドの原理
- 磁気シールド適用のポイント
- 磁気シールド効果の算出
- 磁気シールドと磁性シートとの違い
- 事例: 磁気シールドカバーのシールド効果測定
- 電磁誘導による電磁シールド
- 電磁誘導による電磁シールドの原理
- 電磁誘導による電磁シールド適用のポイント
- 事例: ディジタル回路から微小アナログへの誘導
- 電磁波に対する電磁シールド
- 電磁波に対する電磁シールドの原理
- 電磁波に対する電磁シールド適用のポイント
- シールドに存在する「すきま」の影響
- 事例1: 基板における静電気ノイズ強化
- 事例2: 電磁波に対する電子機器のシールド効果測定
- 事例3: 強電磁環境下でのコンピュータ稼働実現
テキストについて
テキストとして、「 電子機器・装置のノイズ対策入門: グラウンド/シールド設計徹底理解 」 を使用いたします。
テキストが必要な方は、お申し込みのテキスト希望欄から「必要」をご選択下さい。
受講料と、テキスト代(実費)を合わせて請求させていただきます。

ライブ配信セミナーについて
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