グリーン水素の最新動向と事業化への視点、低コスト・高効率水素製造に向けた技術動向

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本セミナーでは、脱炭素に向けた潮流、水素の位置づけ、再生可能エネルギーからの水素製造原価低減の方向性について解説いたします。

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プログラム

第1部 「グリーン水素の動向と早期事業化への課題・視点」

(2022年5月19日 10:00〜12:00)

 脱炭素の不可逆の潮流の中で、世界中で水素に対する期待が高まっている。2050年のカーボンニュートラル実現のためには、革新的な省エネと再生可能エネルギーの主力エネルギーとしての活用が必須である。国内再生可能エネルギーは電力網への接続ができないなど、近年では導入の障壁が顕在化してきている。省エネと再生可能エネルギーのみでは脱炭素が困難な用途も多く、再生可能エネルギーから製造した水素の利用に大きな注目が集まっている。  本セミナーでは、脱炭素の不可逆な潮流の背景とともに、脱炭素時代の水素の役割および各国の政策の違いや動向を説明する。巨大な成長産業である水素は、企業にとってのチャンスでありつつ、高コストが障壁となって事業化が困難である。早期に事業化していくための視点について解説する。  脱炭素の不可逆の潮流の背景、グリーン水素に関する各国政策の動向、その事業化に向けた課題や早期事業化に向けた視点について考えるきっかけを供します。

  1. 脱炭素の不可逆の潮流とその背景
    1. 脱炭素に向けた社会の変化
    2. 発電原価の変遷からみた将来のパラダイム
  2. 脱炭素時代の様々な色の水素とその役割
    1. 国内のエネルギー消費構造と水素の役割
    2. 水素の製造方法とグリーン水素
  3. 欧州、米国、中国、日本の政策の違いとグリーン水素
    1. EUの水素戦略
    2. 日本の水素戦略
    3. 中国の水素戦略
    4. 米国の水素戦略
  4. グリーン水素のバリューチェーン
    1. 水素・燃料電池のこれまで
    2. 燃料電池自動車の普及
    3. 水素ステーションの普及
    4. 家庭用燃料電池の普及
  5. 早期事業化のための課題と視点
    1. 水素ステーションでの販売価格から見た水素の原価
    2. 再生可能エネルギーからの水素製造の経済性
    3. 設備投資により低コスト化を実現する視点
    4. テスラモーターズに学ぶ
    5. 付加価値から考える
    6. 正攻法をやめるための事例と視点

第2部 「アニオン交換膜 (AEM) を用いた低コスト・高効率な水電解水素製造技術」

(2022年5月19日 13:00〜14:30)

 再生可能エネルギーを利用した水電解による水素製造が注目されている。現在水電解装置としてはアルカリ水電解とプロトン交換膜 (PEM) 水電解が主流であるが、これら従来の水電解装置の長所を兼ね備え、低コスト・高性能が期待される次世代水電解装置としてアルカリ性アニオン交換膜 (AEM) を電解質に用いる水電解装置の開発が国内外で活発に行われている。  本報告では、最初に水電解技術全体の概要や動向を案内し、次にアニオン交換膜 (AEM) 水電解装置について、その特徴と産総研におけるこれまでの研究開発内容を紹介する。合わせて国内外の研究開発状況についてもフォローする。さらに水電解装置コスト低減に向けた指針をもとにした今後の研究開発の方向性を述べる。

  1. 水電解装置の概要
  2. アニオン交換膜 (AEM) 水電解装置の概要
  3. 産総研におけるAEM水電解装置開発
  4. 国内外におけるAEM水電解装置開発状況
  5. AEM水電解装置システムコストの解析と今後の研究方針

第3部「半導体光触媒を用いた水素製造 (人工光合成) の現状と実用化への課題・展望」

(2022年5月19日 14:45〜16:45)

 我々人類が「持続可能な社会」を構築するためには、再生可能エネルギーの利用が不可欠であり、無尽蔵の太陽光エネルギーを高効率に電気や燃料に変換する「太陽光エネルギー変換」における技術革新が強く望まれています。太陽エネルギーを「水素」などの「化学エネルギー」へと変換する「人工光合成」研究においては、長年の地道な研究に加えて近年いくつものブレークスルーがなされ、実用化への期待が高まりつつあります。  本セミナーでは、半導体光触媒を用いた水の分解による水素製造研究を中心に、研究の歴史、実用化に必要となる太陽光エネルギー変換効率の試算、変換効率向上に向けた戦略、最新の研究成果、そして今後の課題と展望まで、分かり易く解説します。

  1. はじめに
    1. 天然光合成と人工光合成
    2. 人工光合成 (太陽光エネルギー変換) の概要
    3. 目標となる太陽エネルギー変換効率 (コスト試算を含む) と現状
  2. 半導体光触媒を用いた水分解 (水素製造)
    1. 研究背景および歴史
    2. 実用化への課題と解決への取り組み
    3. 半導体のバンドギャップと光の波長および起こしうる化学反応との関係
    4. なぜ可視光を用いた水分解が必須であり、またこれまで困難であったか
    5. 植物の光合成を模倣した二段階励起型 (Zスキーム型) 可視光水分解
    6. バンドエンジニアリングに基づく可視光水分解の実証
    7. 高効率化に向けた様々な取り組み
  3. 人工光合成系の実験方法および評価における注意点
    1. 水分解反応の実験装置および評価法
    2. 反応効率の算出法と注意点など
  4. 人工光合成研究における研究進展のまとめ・課題・今後の展望

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