量子ドットの基礎と耐久性向上技術、各応用展開における課題と展望

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本セミナーでは、量子ドットの合成や評価といった基礎事項を概説するとともに、実用化を考えた際に必ず直面する耐久性、特に耐光性の問題と解決法を解説いたします。
量子ドットは、表面の割合が大きく、表面の僅かな欠陥で発光特性が変化します。この表面の状態をより深く理解し、耐久性を上げるために蓄積してきた手法を、他の最新の研究とも比較しながら、講師独自の見解を加えて解説いたします。

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プログラム

コロイド法で作る量子ドットは、新しいタイプの蛍光体として知られるようになった。この10年間で発光効率などの特性が飛躍的に向上して価格が劇的に低下し、実用化が本格的に始まった。  本講演では、量子ドットの合成や評価といった基礎事項を概説するとともに、実用化を考えた際に必ず直面する耐久性、特に耐光性の問題と解決法を解説する。量子ドットは、表面の割合が大きく、表面の僅かな欠陥で発光特性が変化する。この表面の状態をより深く理解し、耐久性を上げるために蓄積してきた手法を、他の最新の研究とも比較しながら、講師独自の見解を加えて解説する。

  1. 量子ドット研究の背景と経緯
    1. 量子ドット合成法と研究の経緯
    2. ドープされた量子ドットの構造・特徴
      1. マンガンイオンドープのZnS量子ドット:その特徴
      2. 各種蛍光体の物性と実現できる輝度:量子ドットとの比較も
  2. 量子ドットの基礎と粒成長メカニズム
    1. 物理的、化学的特性 (量子サイズ効果など)
    2. 量子サイズ効果の計算方法と留意点
      1. 簡易な計算方法
      2. 量子力学的計算
    3. 溶液中の量子ドットのサイズと濃度の求め方
    4. 粒成長メカニズムと発光効率
  3. コロイド量子ドットの具体的な合成法・特徴と留意点
    1. 親水性CdTeの合成法
    2. 親水散性ZnSeと光化学反応を利用したシェルの付加
    3. 疎水性CdSeの合成と発展
    4. 疎水性InPの合成と最近の進展
    5. ハロゲン化鉛ペロブスカイト、硫化鉛およびカルコパイライト
  4. 量子ドットのガラスマトリックスへの分散法の発展
    1. バルク体への量子ドット分散:その方法と留意点
    2. 薄膜への分散およびファイバー形成の方法と留意点
    3. 微小ガラスカプセル中への分散・安定化
  5. 量子ドットの物性評価手法
    1. 単一分子検出法の発明の経緯とノーベル賞
    2. 単一粒子検出とブリンキング
    3. 発光効率 (量子収率) の計算法
    4. 耐光性の測定・評価法
  6. 耐久性向上の具体例
    1. ポリマーを用いる方法
    2. イオン結晶による閉じ込め
    3. アルミナ薄膜による被覆
    4. ガラスカプセル化
  7. 量子ドットの応用分野と市場、今後の課題・展望
    1. ディスプレイ用蛍光体としての量子ドット:その課題と展望
    2. 量子ドットの太陽電池応用:その課題と展望
    3. 量子ドットを用いた医療用の診断薬
  8. 量子ドットに関するよくある質問と回答
    1. 量子ドットディスプレイと有機ELディスプレイの違い
    2. ガラスカプセルの具体的使用法、量産性と価格
    3. 非カドミウム系材料の候補と課題は?
    4. 長期信頼性や熱的な耐久性は?
  9. まとめ

受講料

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