2050年におけるCO2の実質ゼロ排出を目指すパリ協定が発効し、各国でCO2削減に向けた方策が取られているが、その中でも大きな比重を占めると考えられるのが、電気自動車 (EV) の普及である。EV用のリチウムイオン電池 (LIB) の市場は急拡大しており、今後のリチウム資源の需給を試算したところ、我が国は2027年〜2030年頃にはEVの急速な普及に伴うリチウム需要の急増に対応できず、リチウム資源が枯渇する計算となる。今後、急拡大するEV市場において我が国が国際競争力を維持し続け、CO2削減目標へ必要なEV化率を達成するためには、リチウム資源を確保が最重要課題であり、LIBリサイクルの促進、海外リチウム資源の確保、更には海水リチウム回収手段を確立することが不可欠である。
そこで、事業採算製を有する新たなリチウム回収技術として、イオン伝導体をリチウム分離膜とすることに着目し、リチウムのみを選択的に回収可能な世界初の手法として発案した「イオン伝導体リチウム分離法」 (Lithium Separation Method by IonicConductor, LiSMIC) を紹介する。
- イオン伝導体リチウム分離法LiSMIC
- 急拡大するリチウムLi需要予測
- LiSMICによるリチウム回収
- LiSMICの進展
- 使用済リチウムイオン電池 (LIB) リサイクルへのLiSMICの適用
- 使用済LIBリサイクルの現状
- LiSMICによる使用済LIBからのリチウム回収
- 研究開発の進展
- 海水からのリチウム回収へのLiSMICの適用
- 海水リチウム回収の現状
- LiSMICによる海水からのリチウム回収
- 研究開発の進展
- 塩湖鹹水からのリチウム回収へのLiSMICの適用
- 海外におけるリチウム資源開発の現状
- LiSMICによる塩湖鹹水からのリチウム回収
- 研究開発の進展
- 核融合炉で必要なリチウム6の分離濃縮へのLiSMICの適用
- 核融合炉で必要なリチウム6とは
- LiSMICによるリチウム6の分離濃縮
- 研究開発の進展
- LiSMICの展望
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