DXによる実験の短縮、研究開発の効率化とその進め方

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本セミナーでは、AI・ロボットを活用して短時間で大量の実験データを取得する方法、研究者の技量や経験・勘に頼らない効率的な実験等、研究効率を飛躍的に高めるDXの導入方法と運用の仕方について具体的な事例を交えて詳解いたします。

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プログラム

第1部 研究開発活動の変革

~ リサーチトランスフォーメーション (RX) のすすめ ~

(2022年5月20日 10:00〜11:30)

 リサーチ・トランスフォーメーション (RX) は、コロナ禍以降の研究開発活動の姿へ向けた、研究開発の変革を指す。今、社会・産業そのものだけでなく、将来への投資である産・学における研究開発の在り方も、新たな時代の新たな姿へ変貌しつつある。それは、これまでの延長線だけでは開けない地平に挑むために必要な変革と捉えられる。研究開発活動の一連のプロセスにおいて、いわばオペレーティングシステムをトランスフォームするRX。そのドライバーとして、研究開発のDXは重要な手段となるが、DX自体は目的ではない。DXだけでない、研究開発システム全体を新しい姿へと導く変革としてのRX。  本講演ではRXの要諦や課題を、内外の科学技術・イノベーション動向を交えて紹介する。

  1. その研究開発のカタチは、いつから変わっていないのか
  2. 研究開発環境のDXと研究の内容・中身のDX/データ駆動型研究
  3. 人間と機械の関係:オートノマス・サイエンス、そのとき人間は
  4. 研究開発における自動化・遠隔化システム
  5. AI/ロボットが人から動作を学び、実験し、仮説を設計、予測・検証をする
  6. 研究開発のアセット、無形資産と有形資産の関係をデザインする
  7. リアル・アナログでこそ付加価値を創出することへの再考
  8. 組織・チームの行動変容とコミュニケーション
  9. イノベーションへの問い:オープン×クローズ×プラットフォーム
  10. 組織間連携、オープンイノベーションのこれから
  11. イノベーションのエコシステムでは、何が循環するのか
  12. 融合と連携。新たな付加価値が現実化するとき
  13. 産業構造の転換とテクノロジーへのインサイト
  14. 次世代に選ばれる研究開発の姿としてのRX

第2部 花王R&Dにおけるマテリアルズ・ インフォマティクス研究体制の構築と人材育成

(2022年5月20日 12:15〜13:45)

 この10年ほどの間で、マテリアルインフォマティクス(MI)による材料開発が急速に加速している。日本で着目を集めるきっかけとなった出来事としては、2011年に米国で開始された「マテリアルゲノム計画」があげられる。その時点で、弊社ではMI研究が進んでいない状態であり、このままでは材料開発の分野で競争に遅れるとの危機感を持った。そのような状況下で、弊社研究所でMIを立ち上げる必要があると考え、私はその導入を任された。取り組み初期の段階から、一研究所で進めては上手くいかないと悟り、ボトムアップ的に他研究所も巻き込んで進める必要があると考えた。  本セミナーでは、取り組み初期での「チーム編成や人材育成で苦労した点」や「MIを利用した具体的な応用例」に関して紹介する 。

  1. 背景
  2. マテリアルズ・インフォマティクス (MI) 研究体制の構築
    1. MIのためのデータベース作成
      1. どのようなデータを利活用するか
      2. 誰がデータクレンジングをするか
      3. 材料設計者に協力してもらうためには
    2. MIを進めるための体制
      1. MIを進めるにあたり必要な能力、及び人材
      2. プロジェクトリーダーに求められる能力
      3. データサイエンティスト、材料設計者に求められる能力
      4. チームとして求められる能力
    3. インフォマティックス人材の育成
      1. 教育対象者をどのように設定するか
      2. 人材育成講座 (初級編) の立ち上げ
      3. 人材育成講座 (中級編) の立ち上げ
  3. マテリアルズ・インフォマティクス (MI) の応用例

第3部 実験自動化ロボットと 機械学習による新規蓄電池材料探索

(2022年5月20日 14:00〜15:30)

 次世代蓄電池の研究開発の現場において、近年、マテリアルズ・インフォマティクス (MI) と呼ばれるデータサイエンスを用いた材料探索の高速化・効率化に関する試みが盛んである。従来の研究者の経験と勘に頼った材料探索に替わって、実験データベースや機械学習などを活用することで、新材料発見の時間やコストの削減が可能となる。  本講座では、データ駆動型の電池材料探索実施に不可欠な大量の実験データを取得するための実験自動化手法の開発状況と、機械学習を活用した探索実施例について紹介する。

  1. 蓄電池開発状況
    1. リチウムイオン電池開発の現状
    2. 次世代蓄電池開発の世界的動向
  2. 電池材料のデータ駆動型探索と実験自動化
    1. 正極材料
    2. 負極材料
    3. 固体電解質材料
    4. 液体電解質材料
  3. 液体電解質材料探索の実験自動化ロボット
    1. 実験自動化ロボットに期待すること
    2. マイクロプレートを用いた電池材料評価
    3. 大量の実験データの取り扱い方
    4. 探索実施例の紹介
    5. 添加剤の協調効果により形成された電極界面被膜の解析
  4. 実験自動化ロボットを用いたデータ駆動型電解液探索
    1. 探索の進め方について
    2. データ科学的手法の適用

第4部 材料開発の試行錯誤削減のための AI解析の活用

(2022年5月20日 15:45〜17:15)

 研究者による経験や感に基づいて行われていた従来の材料設計に対して、AI活用による材料開発スキームがなぜ必要になってきているかという背景を説明する。その際、化学や材料化学に関する専門知識を生かすだけでなく、マテリアルズインフォマティクスなどのデータ駆動型サイエンスの技術を活用することの重要性を示す。その上で、ベースとなるデータの構築と、機械学習・深層学習の手法について具体例を挙げて紹介する。  これらのデータと手法を材料開発に用いることで、実験試行錯誤削減を成し遂げることが可能となる。特に、産学連携国家プロジェクト等で具体的研成果を挙げたので、その内容を詳細に説明する。

  1. AI活用による材料開発スキームが必要になってきている背景
  2. データ駆動型サイエンス技術を活用することの重要性
  3. AIのベースとなるデータの構築
  4. 機械学習・深層学習の手法
  5. 実験試行錯誤削減を成し遂げた事例の紹介
    (産学連携国家プロジェクト等の内容と成果)

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