二酸化炭素の有用化学品への再資源化技術

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本セミナーでは、二酸化炭素の有用性、二酸化炭素を有価物に転換して再利用、有効活用する技術を基礎から解説いたします。
カーボンリサイクルに向けた転換・合成プロセスを詳解いたします。

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プログラム

第1部 二酸化炭素の有効利用技術の動向と展望

(2022年5月13日 10:00〜11:30)

 産業活動により排出された二酸化炭素が地球温暖化に関連しているかもしれないことから、二酸化炭素は、その潜在的な有用性にもかかわらず、不要なもの・悪いものという印象をもたれている。  本講演では、持続可能な社会構築のための地球温暖化問題と化石資源枯渇問題の解決に直接的に寄与することが期待される、二酸化炭素の化学的有効利用に関わる技術の近年の開発動向を俯瞰的・網羅的に紹介する。講演後半では、講師自身が携わる研究の対象である二酸化炭素を直接原料とするポリマー材料の合成を題材として、基礎研究の進め方、実用化への課題と対策について考察する。

  1. 二酸化炭素についての基礎事項の確認
    1. 二酸化炭素とは
    2. 二酸化炭素削減対策の基本方針
    3. CCS・CCU技術の概観
  2. 二酸化炭素の有効利用 概論
    1. 二酸化炭素と資源・エネルギー・環境問題との関連
    2. 二酸化炭素のライフサイクルと各段階における対策
    3. 二酸化炭素の利用
    4. 二酸化炭素の化学変換の反応メカニズム、プロセスの比較
  3. 二酸化炭素の化学的有効利用
    1. 二酸化炭素からの化成品製造の概略
    2. 二酸化炭素からの化成品製造の個別事例
      1. 炭化水素の製造
      2. アルコールの製造
      3. 炭酸エステルの製造
      4. 他の基礎化学品の製造 (C1化学中心)
      5. ポリマーの製造
  4. 二酸化炭素の化学的有効利用に関する現状の課題と今後の展望

第2部 CO2の燃料及び化学原料化によるカーボンリサイクルの取組み

(2022年5月13日 12:10〜13:40)

 地球規模での気候変動が進み、カーボンニュートラルな脱炭素社会への移行が急がれている。我国においても2020年10月には政府による2050年までの脱炭素社会への移行が宣言され、更には「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」としてカーボンニュートラルへの挑戦を、経済と環境の好循環につなげるための産業政策が策定された。カーボンニュートラル社会の構築のためには、化石燃料の使用により発生したCO2の分離回収および回収したCO2を炭素源として有効利用・資源化する所謂カーボンリサイクル技術の確立が必要である。  本講演では燃焼排ガス中に含まれるCO2の分離回収技術およびCO2を燃料や化学原料などの有価物に転換するCO2転換技術についてその原理と特徴を述べる。特にIHIが取り組んでいるカーボンリサイクル技術として触媒を使ったCO2の燃料化技術であるメタネーションや、樹脂やプラスチックの原料となる低級オレフィンの合成プロセス等について紹介する。

  1. CO2排出抑制および脱炭素化に向けた動向
  2. CO2分離回収および有価物への転換技術の原理と特徴
  3. IHIにおけるCO2の燃料化技術の開発
  4. IHIにおけるCO2の低級オレフィン化技術の開発

第3部 二酸化炭素から機能性化学品を直接合成する触媒プロセスの開発

(2022年5月13日 13:50〜14:50)

 日本製鉄では「日本製鉄カーボンニュートラルビジョン2050?ゼロカーボン・スチールへの挑戦~」を掲げ、経営の最重要課題として、2050年カーボンニュートラルの実現にチャレンジしている。鉄鉱石を炭素 (コークス) で還元する既存製鉄プロセスに代わり、高炉水素還元製鉄、100%水素直接還元プロセス、大型電炉での高級鋼製造の超革新的技術開発を進めることで、CO2排出を極限まで抑えることを目指しているが、どうしても一定量発生するCO2に対しては、CO2を分離・回収し、地中に埋めて貯留するCCSや、化学品などの原料としてカーボンリサイクルするCCUの技術が必要になる。  本講演では、日本製鉄におけるゼロカーボン・スチールに向けた概要、化学品原料の製造を目的としたCCU研究開発の取り組みについて紹介する。

  1. ゼロカーボン・スチールに向けた取り組み概要
    1. ゼロカーボン・スチールに向けたシナリオ
    2. 鉄鋼製造プロセスからのCO2発生
  2. 日本製鉄におけるCCUに関する研究開発
  3. CO2からのポリカーボネート中間体製造に関する研究開発
  4. CO2からのポリウレタン中間体製造に関する研究開発

第4部 二酸化炭素を原料とするウレタンの合成

(2022年5月13日 15:00〜16:30)

 2050年に向けてCO2排出の大幅に削減やサーキュラーエコノミーを実現するため、CO2を含む様々な廃棄物・産業副産物を有用な化学品へと再生して有効利用する「資源循環社会」の実現が望まれています。  本講演では、CO2有効利用技術を含むカーボンリサイクル関連技術ならびにケイ素資源の有効活用を指向した国プロジェクトの紹介と最新の研究開発動向について紹介します。

  1. カーボンリサイクル技術開発の動向
  2. 砂や灰などを原料とするケイ素機能性化学品製造技術
    1. 砂や灰からテトラアルコキシシランを直接製造する技術 (NEDO有機ケイ素機能性化学品製造プロセス技術開発成果)
    2. 都市ごみ由来の溶融スラグから高比表面積シリカを製造する技術
  3. CO2を原料とする機能性化学品製造技術
    1. CO2からケイ素化合物から有機カーボネートを合成する技術
    2. CO2からウレタン原料を合成する技術
  4. カーボンリサイクル技術の展望

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