バイオ燃料の開発、製造技術

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本セミナーでは、植物由来の合成燃料である「バイオディーゼル燃料」に関する学術的な基礎知識、実用するための応用知識、および技術 (研究) 開発動向を説明いたします。

日時

開催予定

プログラム

第1部 植物由来のバイオディーゼル燃料の製造技術と開発動向

(2022年5月12日 10:00〜11:30)

 カーボンニュートラルの達成に向けて、運輸部門が求める再生可能な合成燃料である「バイオディーゼル燃料」にまつわる多様な話題を紹介します。実用される脂肪酸エステル系のバイオディーゼル燃料については、教科書的な内容に、実機を使う製造試験に携わった講師の経験を盛り込んだ話題になっています。全国各地の事業者さまの協力を受けながら実機を使う製造試験を行ったことで、実生産の第一線を体感しました。体感したことを聴講くださる方々と共有したいと思います。実証レベルにある炭化水素系バイオディーゼル燃料については、その製法の中核を成す触媒プロセスを工業規模で扱っていた経験を踏まえて講演します。講師が研究を進めるラボレベルの新たな製法が、学会発表 (化学工学会第87年会) で35倍の競争率を越えて、プレスリリース対象に選ばれました。

  1. 講師自己紹介 (研究歴)
  2. カーボンニュートラルへの挑戦
    1. 温室効果ガス蓄積の将来予測
    2. 達成に向けた科学技術面の課題
  3. 実用的なバイオディーゼル (脂肪酸エステル)
    1. 原料と製法
    2. 求められる品質
    3. 実用のための注意事項
    4. 普及動向
  4. 実用が期待されるバイオディーゼル燃料 (炭化水素)
    1. 実証レベルの新たな製法
    2. ラボレベルの新たな製法
  5. 総括

第2部 バイオマスの炭化燃料化技術の動向と発電利用評価技術

(2022年5月12日 12:10〜13:40)

 地球温暖化対策の視点から、発電部門においては、石炭火力のCO2排出量削減が重要な課題となっている。カーボンニュートラルな木質バイオマスの石炭火力混焼利用は、効果的なCO2排出量削減方策のひとつであるが、繊維質が多く粉砕性に劣る木質バイオマスの混焼率は数%に留まる。  本テーマでは、石炭火力での木質バイオマスの混焼利用拡大に向け、粉砕性やエネルギー密度の改善が可能な改質技術について、炭化技術を中心に紹介する。

  1. 燃料として見たバイオマスの特徴
    1. 化石燃料と比べた供給力の低さ
    2. カーボンニュートラルの条件
    3. 燃料特性など
  2. バイオマス炭化燃料の特徴
    1. 粉砕性の向上
    2. 燃料性状の改善
    3. 耐候性の向上
    4. エネルギーの損失
    5. 自己発熱性など
  3. バイオマス炭化燃料の貯蔵安全性
    • 自己発熱性の評価方法
      • 断熱昇温法
      • 酸素要求量測定
      • 等温場微少発熱量測定
  4. バイオマス炭化燃料の粉砕性
    • 試験用ローラミルによる粉砕性評価試験
  5. バイオマス炭化燃料の石炭混焼特性
    • 小型燃焼炉による石炭との混焼試験
  6. 炭化技術を応用したネガティブエミッション技術
    1. バイオマス炭化物による土壌等への炭素固定
    2. CO2排出量削減⇒ゼロエミッション⇒ネガティブエミッション

第3部 微細藻類の研究開発動向とカーボンリサイクルの為の課題・展望

(2022年5月12日 13:50〜15:20)

 微細藻類は、光合成を介した炭酸ガス固定による、バイオ燃料等の有用化合物の生産に適したプラットフォームだと言われている。それにも関わらず、微細藻類の商業化の例は、余りにも乏しい。  本セミナーでは、過去の研究例における微細藻類による化合物生産の実像と虚像を紹介し、「意味のある」産業化に向けて、どの様な特性を持つ微細藻類が求められるかにつき、演者なりの考えを述べたい。微細藻類あるいは植物プランクトンと呼ばれる、日頃、肉眼では見ることのできない微小な生物が、如何に多様性を持った面白い生物であるかを理解いただけます。また、微細藻類は有価物生産を行う上で魅力的である一方、そのポテンシャルについては、科学的なデータに基づいて正しく判断する事が重要であることをお示しします。

  1. 微細藻類とは?
    1. 微細藻類は多様な進化系統からなる生物である
    2. 微細藻類には「変わり者」がいる
  2. 微細藻類は自然界の「匠」である
    1. 微細藻類がバイオ燃料源として着目される訳
    2. 微細藻類が生産する有価物
    3. 最近見つかった面白い微細藻類
  3. 微細藻類による有用物質生産の「過大評価」 – 過去の学術論文を中心にー
    1. 「石油」生産緑藻、Botryococcus brauniiにおける虚実
    2. その他の微細藻類による有用物質生産における問題点
  4. 産業利用上、求められる微細藻類像とは?
    1. 如何に高密度で飼うか
    2. 如何に効率良く有価物を回収するか
    3. その他、産業規模で利用する上での問題点

第4部 藻類バイオ燃料の開発、課題と今後の展開

(2022年5月12日 15:30〜17:00)

 低炭素社会の実現のため、二酸化炭素発生量の多い化石燃料の消費削減と、代替エネルギーの安定確保がますます重要になっている。世界の一次エネルギーとして最も消費の多いものは石油であり、その用途先は自動車や航空機などの液体燃料である。液体燃料はエネルギー密度が極めて高く、特に長距離輸送においては今後も利用され続けると考えられるため、非化石由来の液体燃料の開発が急務となっている。藻類バイオ燃料は、増殖速度の優れた藻類を利用して液体燃料を大量製造することで化石燃料の消費を抑制しつつ低炭素社会に貢献できる燃料として期待されている。  本講座では、藻類バイオ燃料の製造方法の開発動向と、開発における課題、さらには今後の普及に向けた方向性について概説する。特に、従来の石油由来の液体燃料と比べてどのような点が未解決なのか、どうすれば社会実装に近づくことができるのか、についても考察する。

  1. 藻類バイオ燃料の社会的背景と位置づけ
  2. 使用される藻類の種類
    1. クラミドモナス
    2. ナンノクロロプシス
    3. ボツリオコッカス
    4. ユーグレナなど
  3. 藻類の培養方式
    1. オープンポンド
    2. フォトバイオリアクタなど
  4. 藻類を増殖させる際の炭素源
    1. 二酸化炭素+光合成
    2. 有機物
  5. 藻類の脱水方法
  6. 藻類に含まれる燃料成分の分離方法
  7. 燃料成分の改質と製品化
  8. 藻類バイオ燃料の消費先
  9. 藻類バイオ燃料の問題点
  10. 藻類バイオ燃料の生産コスト
  11. 今後の展望とまとめ

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