第1部 窒素酸化物の資源循環を目指したNOx除去技術の開発
(2022年5月13日 10:30〜12:00)
化石燃料の燃焼により生じる窒素酸化物は、酸性雨の原因の一つで有り、厳しい排出規制がかけられている。この窒素酸化物を吸収法により濃縮し硝酸として再利用する新しいプロセスを開発した。窒素酸化物の効率的再利用により、環境負荷の大幅な低減が期待できる。
また、吸収除去の難しい低濃度のNOリッチなNOxの除去方法についても検討した。最後に、技術の応用先として排ガスの有効利用としての実証研究を紹介する。
- 窒素酸化物の性状と従来の除去技術
- 水を用いたNOxの吸収除去
- ガス吸収理論
- NOxの溶解平衡と問題点
- ガラス繊維フィルターを用いた気液接触面積の向上
- 反応吸収、液相酸化技術との併用
- NOの酸化によるNOxの除去率の向上
- NOの気相酸化
- ゼオライトを用いたNOの連続的な酸化
- NOxの吸着除去
- 回収硝酸の用途と硝酸廃液の処理
- 技術の応用先
第2部 流動担体を用いた2槽式嫌気性アンモニア酸化処理による窒素除去技術
(2022年5月13日 13:00〜14:30)
本講座では、近年注目を集めている嫌気性アンモニア酸化法 (Anaerobic Ammonium Oxidation, Anammox) による排水中の窒素処理について、従来の生物学的窒素処理法と比較しながらその特長を説明する。また、流動担体を用いた2槽式嫌気性アンモニア酸化プロセス (DENIMOX) について、その技術の詳細を説明するとともに、実機での適用事例を紹介する。
- 嫌気性アンモニア酸化法の概要
- 従来の生物学的窒素処理技術
- 嫌気性アンモニア酸化法の概要
- 嫌気性アンモニア酸化法の特長
- 嫌気性アンモニア酸化法の適用事例
- 流動担体を用いた2槽式嫌気性アンモニア酸化プロセス DENIMOX
- 技術の特長
- プロセス概要と制御のポイント
- 適用範囲と留意事項
- 実機適用事例
- まとめと今後の展望
第3部 アンモニア性窒素含有排水・排ガスの資源化技術
(2022年5月13日 14:45〜16:15)
本講座では、まずアンモニア由来窒素のマテリアルフローを概観した後、アンモニア含有排水・排ガスの処理方法について述べます。現存する処理法であるストリッピング法をはじめ種々の処理方法および省エネ型のプロセスを紹介します。その後、回収アンモニアを水素に転換し燃料電池で発電しCO2ゼロ・NOxゼロを実現できる新しいアンモニア資源化技術を解説します。さらに、アンモニアや水素/アンモニア混合ガスを用いたガスエンジン発電の事例や化石燃料とアンモニアとの混焼特性について解説します。
- 窒素化合物のマテリアルフロー
- 窒素化合物の発生源とマテリアルフロー
- アンモニア利用産業と排出量
- 排水・排ガス中アンモニアの回収
- 各種処理方法とその特徴
- 省エネ型ヒートポンプ蒸留法
- 回収アンモニアによるCO2/NOxゼロ発電
- エネルギーとしてのアンモニアの物性と特徴
- アンモニアを水素に転換する触媒
- アンモニアから純水素を製造するプラズマメンブレンリアクター
- 回収アンモニアを原料とする燃料電池発電システム
- 回収アンモニアによる安価なCO2ゼロ発電
- ガスエンジン発電の事例
- 化石燃料とアンモニアの混焼および窒素酸化物の生成
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