第1部 CO2水素化反応の低温・低圧化を目指した触媒開発
(2022年5月10日 10:00〜11:10)
CO2を化成品・燃料への変換技術の開発が求められている。一方、熱力学的に安定なCO2の変換には熱・圧力などのエネルギー投入が必要になる。CO2変換に伴う過剰なエネルギー (活性化エネルギー) の低減や、CO2変換における平衡制約を回避するために、より温和な条件で駆動する高性能触媒の開発が必須になる。
本講演では、CO2水素化触媒の高性能化のための触媒設計指針について、実例を示しながら解説する。
- 従来のCO2水素化触媒について概説
- CO2水素化触媒の設計
- 電子的効果
- 立体的効果
- 低温メタノール合成
- 触媒設計
- 反応機構解析
- まとめ
第2部 非在来型低温作動触媒プロセスによる二酸化炭素の低温還元触媒とその応用並びに周辺技術
(2022年5月10日 11:20〜12:30)
カーボンニュートラル実現が期待される中、排出される二酸化炭素を再生可能エネルギー水素によって再資源化し、合成燃料とすることで、化石資源利用からのエグジットが加速できる。このような中、低温・オンデマンドで作動しうる非在来型触媒プロセスによる二酸化炭素再資源化が可能であることを示してきた。この技術の詳細と、今後の展開、ならびに周辺技術について解説する。
- カーボンニュートラルに向けた二酸化炭素再資源化の意義と現状
- 早大での非在来型触媒プロセスによる二酸化炭素再資源化についての取り組み
- 低温オンデマンド作動のサバティエ反応 (二酸化炭素のメタン化)
- 低温オンデマンド作動の逆水性ガスシフト
- 低温作動可能なケミカルルーピングプロセスによる合成ガスへの転換
- 周辺技術の紹介と今後の展望
- 二酸化炭素回収技術
- カーボンプライシングとコスト
- 関連技術の動向
- まとめと今後の展望
第3部 銀触媒を用いる二酸化炭素の固定化反応
(2022年5月10日 13:10〜14:20)
二酸化炭素は、安価で無害であり、有機化学的合成資源への期待の一方、高い安定性のため、利用には厳しい反応条件が必要で、単純な化合物の製造目的に限定される。セミナーでは、精密有機合成化学の立場から、高度な分子変換を指向する触媒反応について解説する。
- コバルト錯体触媒によるカーボネート類の合成
- 銀触媒を用いる二酸化炭素の捕捉反応
- 銀触媒による炭素 – 炭素三重結合の活性化
- エノラートを求核種とする炭素 – 炭素結合形成反応
- 生物活性化合物合成への適用
- 二酸化炭素と求電子剤の連続導入反応
- 二酸化炭素捕捉反応の展開
- 常温常圧条件のKolbe – Schmitt型反応の開発
- 脱炭酸を駆動力とする選択的反応の開発
- 質疑応答
(2022年5月10日 14:30〜15:40)
第4部 二機能性触媒を用いたCO2の変換・オレフィン合成技術
持続可能性の高い社会システムを構築するために、CO2を原料として燃料や化学品などを製造し、有効に利用する技術の開発が急務である。
本講演では、CO2からメタノールを経由して、低級オレフィンを合成する二機能性触媒の設計・開発に関して概説する。
- CO2変換を志向した二機能性触媒の現状・技術課題
- 低級オレフィン合成に特化したメタノール合成触媒
- 二機能性触媒に使用するメタノール変成触媒
第5部 150°C以下でメタノールを合成する固体触媒について
(2022年5月10日 15:50〜17:00)
CO2をサステナブルな炭素資源とした化成品合成は持続可能社会実現のためのコア技術である。なかでも基幹化学品であるメタノールをCO2の水素化による合成する触媒法は工業的価値が高い。
本講座では、我々が進めている固体触媒を用いたCO2/H2からの低温メタノール合成の現状について紹介する。触媒探索結果に加えて、様々なキャラクタリゼーションの結果も紹介し、開発触媒の構造や反応機構を考察する。
- 二酸化炭素水素化による低温メタノール合成の重要性
- 二酸化炭素水素化による低温メタノール合成の文献紹介
- 二酸化炭素水素化による低温メタノール合成に関する我々の取り組み
- データ科学を用いた二酸化炭素水素化用触媒の開発
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