PIC/SやICH Qトリオ、Q11〜12の進展によるGMPのグローバル化の中、医薬品の製造管理、品質管理を行う上で、逸脱・OOSは日常的に発生し緊急の対応を迫られることが多い。これらはGMP違反となるばかりでなく、対応を一歩誤れば製品回収や業務改善命令につながるなど大問題に発展することになる。
今回は昨年8月に施行された改正GMP省令に対応した逸脱発生時の判断と処理基準について、実際の運用事例やGMP適合性調査における指摘事項なども交え分かりやすく紹介する。また製造逸脱と共に試験室管理においては、OOS (規格逸脱) やOOTなどについては、社内管理と手順書作成の観点から正しい対応が必要である。最近のFDAの指摘事項から、試験室管理でのOOS対応やデータインテグリティ (DI) への指摘事項を紹介する。一方、正しい製造逸脱・OOSへの社内管理あり方は、改正GMP省令の基本である医薬品品質システム (PQS) の社内構築や品質カルチャーの構築には欠かせない要件である。変更管理やCAPAシステムへの連動と併せて解説する。
- はじめに
- 品質マネジメントシステム
- 変更・逸脱管理とは
- ICH Q9を考慮した変更・逸脱管理 (CAPAシステム)
- GMP省令改正 (R3年8月施行) と逸脱・変更管理、承認書と製造実態の遵守
- 製造販売業三役の適切な実施
- 法令遵守
- 三役体制、品質管理業務の留意事項
- GMP省令第15条「逸脱管理」に対応した社内管理運用
- 逸脱・不適合・異常の相違点
- 品質不良並びに逸脱、及びそれらのクラス分けと具体事例
(原薬、製剤別のクラス分け) :逸脱/変更管理は製品品質改善のチャンス
- 逸脱発生の根本原因とCAPA管理
- 逸脱処理手順の構築と正しい社内管理運用法について
- OOS/OOT (試験逸脱) への対応と手順書の作成実務
- ラボの逸脱管理:GMP省令及びICH Q7、PIC/S GMPの要求事項
- FDAのOOSガイドラインについて
- OOSへの対応:初期調査、QA調査、ラボエラー
- 試験室管理と外れ値・異常値
- OOTへの対応:程管理図 (シューハート管理図) 、安定性試験における傾向分析
- 試験室管理とOOS/OOT作業手順書の作成
- QCラボのDI対応
- Form483の警告書と回答事例
- 逸脱・OOSに対応した統計的手法の活用法
- 品質リスクマネジメントによる統計手法
- 品質リスクマネジメントとは (QRM、ICH Q9)
- リスクマネジメントの方法と手法
- プロセスマッピング
- 特性要因図 (石川ダイアグラム/魚の骨図)
- 欠陥モード影響解析 (FMEA) 、故障の木解析 (FTA)
- ハザード分析と重要管理点
- HACCP、HAZOP、予備危険源分析 (PHA)
- リスクランキングとフィルタリング (RRF)
- 支援統計的手法 と組み合わせ
- まとめ
- 品質マネジメントレビューとPQSの逸脱・QQSへの活用
- 製品ライフサイクルにわたる継続的な品質改善、品質の醸成
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