厚生労働省は、2010年10月21日「医薬品・医薬部外品製造販売業者等におけるコンピュータ化システム適正管理ガイドライン」を発出しました。施行日は、平成24年4月1日からとなりました。施行日以降は、業許可更新に伴う製造業の定期GMP調査では、このガイドラインの確認を主眼に実施されることになります。新ガイドラインは、旧ガイドラインに比べてかなりハードルの高い要求事項が記載されています。
いったいどのような対応を行えば良いのでしょうか。
施行日までに準備すべき事項は、
- 1. 「コンピュータ化システム管理規定」等の作成
- 2. 組織・役割に応じた責任と権限の明確化と文書化
- 3. 厚労省ER/ES指針への対応
- 4. 回顧的バリデーションの実施
- 5. システム台帳の作成と棚卸
など多くのものがあり、けっして時間が十分ではありません。本講座では、上記のサンプル文書をいち早く作成し、公開いたします。これにより、皆様の負担が非常に軽減できることと思います。
特に回顧的バリデーションは、一朝一夕では実施できません。
またどの程度、どういった方法で適格性の確認を実施すれば良いのでしょうか。一方で、新ガイドラインには、対応のために苦慮すると思われる点が多々あります。
- 製剤機械(プロセス・エンジニアリング)を中心に記載されており、ITシステムへの応用が困難
- ダブルスタンダードの問題
- カテゴリ分類の矛盾と問題点
- システムアセスメントの実施方法
- 供給者監査の実施方法
- 作成成果物が網羅されていない
- 時系列の解説になっていない
などです。
いったい、どういう風にSOPを書き下ろせば良いのでしょうか。
また今後、査察はどのように変化するのでしょうか。新旧ガイドラインの違いを中心に解説いたします。新ガイドラインの発出と同時に、事務連絡として質疑応答集(Q & A)も発行されました。Q & Aには、ガイドラインには記載がないけれども非常に重要な事項が記載されています。また「パブリックコメントの回答」についても精査しておかなければなりません。本セミナーでは、作成が必須となった「コンピュータ化システム管理規定」や「供給者監査(サプライヤオーディット)チェックリスト」の具体的なサンプルを配布し、解説のわかりやすさでは定評のあるCSVの第一線コンサルタントが、懇切丁寧に解説を行います。
- 新ガイドラインの概要
- コンピュータ化システムの種類と特徴
- 施行日 (2012年4月1日) までに対応準備を行わなければならない事項
- 日本におけるコンピュータ化関連指針
- 新ガイドラインの3つの業務
- 新ガイドライン目次と新旧比較
- コンピュータ化システムのライフサイクルモデル
- 新ガイドラインの特徴
- 新ガイドライン査察
- 新ガイドラインに基づく査察
- 第30回医薬品GMP・GQP研究会
- 定期調査に係る医薬品適合性調査時の提出資料について
- PIC/Sと新ガイドライン
- PIC/S (医薬品査定協定および医薬品査察共同スキーム) とは
- PIC/S加盟国 (2011年1月現在 39規制当局)
- PIC/S加盟への動き
- PIC/S GMPの今後
- EU 薬事規則目次
- EU GMP Annex
- PIC/SのGMPガイドライン活用のためのパブリックコメント募集
- PIC/SのGMPガイドライン活用のためのパブリックコメント募集に関する問題点
- PIC/Sガイドラインの取り込み
- GMPの今後の方向性
- PIC/S加盟の必要性
- PIC/S加盟にあたっての課題
- PIC/S加盟審査および再審査
- FDAでもPIC/S加盟に5年超もの時間を要した
- 厚労省のPIC/Sについてのスタンス
- GMP調査体制強化検討
- GMP調査当局会議
- PIC/S加盟に向けた今後の予定
- 新ガイドライン逐条解説
- 適用範囲と問題点
- 適格性の確認方法と対象システムの例
- カテゴリ分類表と対応例 (別紙2)
- ソフトウェアカテゴリとシステムの例 開発業務
- 検証業務
- 運用管理業務
- リスクアセスメント概要
- 規制コストの増大
- リスクベースドアプローチとは
- リスクベースドアプローチの効能
- cGMPの改革と21 CFR Part 11の改定
- 製薬企業のコンピュータ化システム関連リスク
- 品質リスクマネジメントに関するガイドライン (2006年9月1日)
- リスクとは、危害発生の確率とその危害の重大性の組み合わせ
- リスクのとらえ方
- 製品とプロセスの理解 ~ 初期リスクアセスメント
- FMEAによる詳細なリスクアセスメント
- トレーサビリティマトリックスと機能リスク評価
- GMPとバリデーション
- 適格性評価とは