スマートフォンのトレンドを語る上で欠かせないのが2月末開催のMobile World Congressだ。今年も各メーカーが最新スマートフォンを相次いで投入。LTE対応が一気に増え、チップセットや画面サイズの競争も加速しつつある。 非接触IC技術である「NFC」も、グーグルが注力していることもあり、徐々に世界で普及が始まろうとしている。だが、すぐには決済関連サービスが立ち上がる状態ではなく、しばらくは決済以外の用途で広がっていきそうだ。 国内市場においては、NTTドコモに続き、イー・モバイルがLTEサービスを開始。ソフトバンクモバイルも中国の技術である「TD-LTE」をベースにしたサービスを始めた。KDDIも年内にLTEサービスを開始する予定で、国内は一気に「LTE先進国」になろうとしている。 だが、一方で、NTTドコモは昨年末から相次いで通信障害を発生させ、ユーザーの信頼を失っている状態だ。今後、スマートフォンユーザーが拡大するにつれ、各キャリアのネットワークはますます逼迫すると見られている。データ通信のオフロードをいかに強化していくかが経営課題となっていくことだろう。 また、春商戦においては、KDDIがFTTHやCATVとの組み合わせで通信料金を割り引く「auスマートバリュー」をスタートさせた。NTTグループには展開しにくい移動体と固定との組み合わせで一気にシェアを獲得したい構えだ。KDDIでは、「3M戦略」として、マルチネットワーク、マルチデバイス、マルチユースを強化。「ゲームチェンジ」として、これまでとは違った勝負を他社に挑もうとしている。 スマートフォンブームによって、各キャリア、メーカーはこれまでの成功体験を見直し、戦略の見直しを迫られている。果たして、どこが勝者となるのか。日本と世界をくまなく取材して集めた情報を元に、未来を予測していく。