チタンアルコキシドやジルコニウムキレート等の有機チタン、ジルコニウム化合物は、ほとんど液状であり、水酸基等の官能基と速やかに反応することが知られている。この反応性を活かし、架橋剤、エステル化、ウレタン化、シリコーン硬化等の反応触媒、ゾルゲル法による酸化金属膜形成剤、塗料等のコーティング膜と基材との密着性向上剤として、インキ、塗料、電子材料、光学材料といった幅広い分野で使用されている。
使用されている分野は多岐にわたっているが、これら化合物の知名度は未だ低く、検討されていない分野も数多く存在していると考える。
そこで、本講演では、前半ではまず、本化合物の構造や反応性について解説し、後半では反応性を利用した架橋剤、触媒、酸化金属形成膜、密着性向上剤(プライマー)の具体例について解説する。
一方、アルミニウムアルコキシドやアルミニウムキレート、ケイ素とイソシアナト基が直接結合したユニークな構造を有し、高活性なシリコン化合物であるシリルイソシアナト化合物とその反応性を利用したコーティング剤も製造、販売しており、これら製品の機能、用途についても後述で解説する。有機金属化合物Ti、Zr、Si、Alを中心に当社製品を用いたアプリケーションへの応用に主眼を置いて解説することで、用途をイメージして頂くとともに、受講者の皆様の開発への応用や問題解決につなげたい。
- チタン化合物、ジルコニウム化合物
- 化学構造化学構造
- 基本反応基本反応
- チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド
- 化学化学構造と会合による反応性の違い
- 加水分解反応の機構と反応速度
- 反応しやすい官能基は何か
- チタンキレート、ジルコニウムキレート
- 化学構造と化合物の色
- アルコキシドとの反応性の違い
- キレートの種類と反応性の関係
- チタン化合物、ジルコニウム化合物の応用例
- 触媒としての使用例
- スズ化合物の代替として
- エステル化推定機構とその反応性
- ウレタン化における推定機構とその反応性
- シリコーン硬化反応
- シリコーン硬化反応 (RTVシリコーンシーラント) における推定機構とその反応性
- 架橋剤としての使用例
- インキ架橋剤としての応用と耐熱性向上
- 水系樹脂架橋剤としての応用による耐水性向上
- 酸化金属膜形成剤しての使用例
- モノマーとオリゴマーによる成膜性の違い
- 製膜材料としての応用と屈折率制御
- 密着性向上剤としての使用例
- プライマープライマーとしての利用と密着性発現効果としての利用
- 有機ケイ素化合物、有機アルミニウム化合物
- シリルイソシアナト化合物とその応用製品
- シリルイソシアナト化合物の構造
- 反応機構と反応性について
- 反応性反応性を利用したコーティング剤としての応用例
- アルミニウム化合物アルミニウム化合物
- アルミニウムアルコキシド、キレート化合物の構造
- 反応機構と反応性について
- 架橋剤としての応用例
- 今後の展望今後の展望
- コーティングにおけるドライプロセスからウェットプロセスへ
- 脱脱スズ化合物等の環境負荷低減への試み
- 水系化合物への飽くなき挑戦
- キレート化以外の反応性制御法
- 電動化社会に向けた熱硬化型アクリル系含浸接着剤の応用展開の可能性
複数名同時受講割引について
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