1970年代の米国で、GMP適合工場で製造され、出荷試験に適合していた注射剤であったにも関わらずロット内に汚染品が混在していたため、死者が出るトラブルが発生した。出荷試験 (抜取り試験) でロット内の品質保証はできなかったことから、重要工程について適切な管理値を設定し、その妥当性を検証してロット内/間の品質均質性を保証する「プロセスバリデーション (PV) 概念」が提唱され実施が義務化された。
その後、PVを実施したにもかかわらず、商業生産で品質の恒常性を保証できない事案が発生することから、生産中も継続してプロセスと品質のモニタリングと改善を図る必要があるとPVの概念は進展した。また、品質リスクは工場からユーザーのもとに届くまで考慮すべきとされ、流通過程のベリフィケーションも提唱されるに至った。それだけでなく、コンピュータが汎用される時代となり、医療・医薬品に使用されるコンピュータの不備は人命に直結するリスクからCSVが提唱されるに至っている。
本セミナーでは、こうしたバリデーション概念の進化過程を始め、適格性評価、PV、CSV、GDP関連のバリデーションを具体的な事例を交えて知りたいという初心者向けの講座である。
- バリデーションの歴史と最新の考え方
- バリデーション概念の始り
- 進化したバリデーションは継続的検証を要請
- 適格性評価 (ユーザー要求仕様書の作成とDQ)
- ユーザー要求仕様書 (URS) がDQの判定基準になる
- URS作成時の留意点
- URSに記載する項目例
- DQのために必要な資料
- DQでのチェック事例
- 適格性評価 (IQ、OQ、PQ) とプロセスバリデーション (PV)
- 工業化検討と適格性評価を混同しない
- FAT/SATと適格性評価を混同しない
- DQ~OQの不備が生産移行後のトラブル原因に
- IQ・OQの結果が「初期値 (定常状態) 」を示す
- IQ・OQでのチェック事例
- 校正とは
- 校正周期の設定
- PQとPVは何が違う?
- PQでのチェック事例
- PVの前提
- 従来法のPVとより進んだ手法、およびハイブリッドアプローチとは
- コンカレントバリデーションとは
- 継続的工程検証
- 変更は「起きるもの」+「起こすもの」
- 保全活動には「維持活動」と「改善活動」がある
- 保全の全面外注化は慎重に
- 3つの保全体制を組み合わせる (日常保全、定期保全、事後保全)
- バリデーション文書
- バリデーション関係文書の階層
- バリデーション手順書 (VMP) 作成要請の背景
- バリデーション実施計画書で大切なこと
- VMPへの記載項目
- バリデーション実施計画書と実施報告書
- 総括するマスタープランとは
- VMPと総括するマスタープランの関係
- 総括するマスタープランへの記載事項例
- 総括するマスタープランは歴史書
- 包装のバリデーション
- PIC/S GMPとGMP事例集の包装バリデーションの相違点
- 気密性への影響因子は多々ある
- 包装ラインのチョコ停原因を知り、対策しておく
- PTP材の溶出物に注意
- 輸送のベリフィケーション
- GDPガイドラインが要請するのは
- 海外の偽造防止対策例
- 医薬品の封に関する国内の規制
- マッピングデータの取り方
- コンピュータ化システムバリデーション (CSV)
- CSVの要請背景
- CSVとGMP省令のバリデーションとの相違点
- 運用管理基準書の策定 (コンピュータに関するバリデーション手順書)
- ユーザーはコンピュータの何をバリデート?
- ユーザーの業務と供給者の業務
- 開発責任者、検証責任者、運用責任者の業務
- カテゴリー分類別の対応例
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