溶液製膜法は汎用性が高く、長い歴史を有している。特にポリマーフィルムの製膜においては光学的等方性やフィルムの構造制御などに特徴があり、光学フィルム、耐熱フィルム、メンブレンなどの製造に広く利用されているのは周知のとおりである。本セミナーでは光学フィルムであるTAC偏光板保護フィルムに着目してプロセス開発、品質向上および生産性の向上などに関する基礎技術および製造プロセスの技術課題について紹介したい。
溶液製膜プロセスはポリマープロセシング、キャスティング、乾燥、ウエブハンドリングなどの広範な技術分野を含んでおりプロセス内のトラブルも千差万別である。これらのプロセストラブルの想定事例をもとに原因解析と対応方法についても議論を深めたい。
- イントロダクション
- 溶液製膜の歴史
- 溶液製膜と溶融製膜
- LCDの普及と偏光板保護フィルム
- LCD-TVのパラダイムシフト
- LCD-TVの登場は薄型大画面で高精細デジタル放送を可能にしたのみならず産業構造まで変えた
- 溶液製膜プラントは成型のための溶液調製と分離精製リサイクルのプラントから構成される
- キャスト溶液の調製
- ポリマーと溶媒の選択
- 溶液調製プロセス
- 溶液精製プロセス
- キャスト溶液調製における注意点
- ドープ物性が温度と濃度で大きく変化することがトラブルの原因
- キャスティングおよび乾燥
- キャスティングプロセス
- フィルムの平面性や均一性に大きな影響を及ぼすプロセス
- 剥離プロセスの重要性
- 乾燥プロセス
- キャスティング同様フィルムの平面性や均一性に大きな影響を及ぼすプロセス
- ウエブハンドリングプロセス
- ウエブハンドリング技術
- 溶液製膜プロセス内のフィルムは温度、物性、組成が変化するので一筋縄ではいかない
- フィルムの後処理技術
- 巻き取り技術
- 何千年も前からある技術なのに何故難しいのだろうか?
- ウエブハンドリングおよび後処理の意義
- 溶液製膜は搬送するだけでなく、面状品質や物性品質を達成するために
均一にかつ張力をコントロールしつつ乾燥する乾燥機の一部でもある
- 溶液製膜/溶液塗布プロセスで良く遭遇するトラブルの原因解析と対応方法
- プロセストラブルの原因解析
- 対応方法
- まとめ
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