分散剤の選択&配合技術の総合知識

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本セミナーでは、分散、界面活性剤の基礎から解説し、分散剤の使い方、分散剤の簡易選定方法、分散体の簡易評価方法について詳解いたします。

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現在、国内で水系分散剤は200種以上、溶剤系分散剤は80種以上あると推定される。分散剤メーカーに分散剤サンプルを依頼し入手しテストしても旨く行かないことがある。原因は分散剤、粉体、溶媒の組み合わせが適切でない場合が多い。分散剤なら何でも分散できると考えるのは“NO!”である。最近検討が盛んな超微粒子のナノ粒子、電池用の疎水性の強いカーボンブラック等、それぞれ粒子径が小さい場合は凝集力が強く難分散である。またカーボンブラックの場合はその強い疎水性のため超親水性溶媒である水の場合分散性が悪い。50数年前に提案された分散に関する基礎概念として“分散の三要素”という考え方がある。元々水系分散での概念であるが溶剤系分散を考える場合も十分に通用する概念である。三要素とは、1ぬれ性、2解きほぐし性、3分散体の安定性の三つを言う。この概念は非常に古い概念であるが最近の超微粒子粉体の分散にも応用できる分散の基礎概念である。この“分散の三要素”を使いこなすには界面活性剤の基礎・応用知識が必要となる。粉体の分散を考える時、粉体の“ぬれ”、即ち“分散の三要素”の一番が重要となり粉体の基本的な性状 (粒径、粒形、極性;親水性、疎水性等) の理解が必要となる。  これらの知識をもとに分散とは何か、分散剤とは何か、分散剤の使い方、評価・選定方法等分散について応用の効く基礎知識 (市販分散剤の実例等も含め) を説明する。一方、分散溶媒によって分散の考え方が異なる。例えば水系で分散するのか、非水系で分散するのかでも分散剤の選定の方法、基準が異なる。分散媒として非水系の溶媒を使う場合、使用溶媒の極性が種々あることが溶媒として水を使う場合と大いに異なる。非水系溶媒では高極性溶媒、中極性溶媒、低極性溶媒と極性が大きく異なり溶媒の種類によっては分散剤が十分に働かないことが有る。ここに樹脂 (高分子分散剤) の極性が絡んでくると更に分散が困難になることが有る。最近、溶剤系での分散にハンセンパラメータ (HSP) を適応しようと研究が盛んである。HSPを含め水系、溶剤系での分散に関する基礎的な考え方もご説明したい。また溶剤系、水系で検討、使用が多くなっている“櫛形ポリマー系分散剤”についても概略を説明する。

  1. 分散 (剤) とは … 分散剤ならどの様な粉体でも分散出来るか ⇒ N0
  2. 粉体と分散の関係
    • 粉体の粒子径 (Particle Size) と粒子形 (Particle Shape) と分散との関係
      1. 粒子径と粉体凝集性
        • 何故粉体は凝集するのか、しているのか。
      2. 粒子形と粉末凝集性
        • 板状粉体 (平面体) が凝集し易いのは何故か。⇒毛管力。
      3. 粒子の持つ表面エネルギーと凝集性
        • 粉体の粒子径が小さくなればなるほど表面エネルギーが大きくなり、凝集が強くなりぬれ難くなる。
          • ⇒分散剤でどう対応するか。
          • ⇒低分子量の湿潤・分散剤の利用 (高分子分散剤との併用)
      4. 等電点とは
        • 分散系のPHによって粉体の表面電荷が変化。⇒分散との関係は。
  3. 分散を理解するために必要な界面活性剤の基礎知識
    1. 表面張力とは
      • お互いに接する面積を最小にしようとする力⇒分散との関係は?
    2. ぬれとは
      • 凝集粒子を一次粒子にするための初期段階で必要な性能
    3. ミセルとは
      • 球状ミセル⇒粉体粒子を球状ミセルで包み込むことが分散
    4. HLBとは
      • 親水性と親油性のバランス値⇒粉体の極性により使い分けする
        溶媒が水系か非水系かでHLBの値をどう使い分けるか
  4. DLVO理論と分散について
    1. 電気二重層と分散性の関係
    2. ゼータ電位の大きさと分散性の関係
    3. 高分子分散剤を使った時にDLVO理論は成立するのか
    4. 高濃度分散体の場合DLVO理論は成立するのか
  5. 分散の三要素について⇒分散の基礎理論
    1. ぬれ (初期分散性) 性
      • 凝集した粒子をぬらして膨潤させ、解きほぐしやすくするには
    2. 解きほぐし性
      • 膨潤した粒子を機械的に解きほぐし一次粒子とするには
    3. 分散体 (スラリー) の安定性
      • 経時的な再凝集・沈降を防止するには
  6. 水系分散剤について
    1. 分散を取り巻く分散因子とは
    2. 水系分散剤選定のポイント
      • 粉体の粒子径、粒子形、極性 (親水性、疎水性) により異なる
    3. 低分子湿潤・分散剤と高分子分散剤の分散性、性能の差異、使い分けについて
      • 特に微粒子、超微粒子の分散の時、考慮すべきこととは
  7. 最適分散剤、最適分散評価法 (特に簡易方法) について
    1. スパチュラ法 (Daniel法、フローポイント法)
      • 粉体と最適分散剤の簡易スクーリング方法
    2. 粘度・添加量曲線の作成
      • スパチュラ法で目安を付けた数種の分散剤から最適分散剤最適添加量の絞り込み方法
    3. 試験験管沈降法
      • 試作分散体の経時分離・沈降測定法 (簡易法)
    4. グロス試験他
      • 目視による簡易分散状態の測定法 (簡易法)
  8. ナノ粒子の分散について
    1. ナノ粒子の分散のまとめ
      • 分散の三要素との関係、どう使いこなすかについて
    2. カーボンナノチューブの分散について
      • 1π電子 – π電子相互作用による分散の考え方
  9. 疎水-疎水結合による分散の考え方
  10. 溶剤系分散の選定のポイントについて
    1. 分散剤/溶媒/粉体の相関による分散性の違いについて
      • 溶媒と分散剤の相溶性、親和性の簡易試験法
        • Daniel法
        • フローポイント法
      • ソーレンセンの酸・塩基相互作用の考え方、使い方
        • 強い吸着層、吸着結合の作り方 (酸価、アミン価とは、その使い方)
      • SP値の考え方、使い方
        • 発展形のHSP (ハンセンパラメータ) の分散への拡張
  11. 参考資料、書籍一覧
    • 分散を勉強するための文献、資料の紹介
    • 市販分散剤メーカー及び代表品名構造、組成一覧の紹介

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