遺伝子治療におけるウイルスベクターの製造技術および品質管理

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がんや希少難治性疾患に対する遺伝子治療用製品の開発は、分子病態に基づく作用機序と臨床的効果から高い注目を集め、遺伝子導入細胞やAAVベクターが国内外で上市されている。製造精製技術を巡り企業買収や提携が進んでいるが、安全面の懸念に対しバイオロジクスの考え方が必要とされている。  本講演では、製造分析における工夫や、ベクター投与量の低減化による安全性に優れた治療法の試みについて紹介する。

  1. 難治性遺伝性疾患に対する遺伝子治療
    1. 遺伝子治療用製品の開発機運
    2. 単一遺伝子疾患に遺伝子治療を考慮する条件
    3. 遺伝子治療用製品の承認状況
    4. 遺伝子治療に用いられる主なベクターの特徴
    5. 遺伝子・細胞治療のストラテジー
    6. 代謝性疾患、神経疾患の遺伝子治療
    7. 血液疾患の遺伝子治療
    8. 大量投与に伴う副反応の懸念
  2. 遺伝子治療用製品のモダリティー選択と開発動向
    1. 筋ジストロフィーに対する新規治療法開発
    2. エクソン・スキップ療法の課題
    3. AAVベクターによる遺伝子導入と免疫応答
    4. MSCを活用した低用量AAVベクターによる長期遺伝子発現
    5. MSCsの炎症制御作用と再生医療的効果
    6. 本格的普及に向けた臨床的対応
    7. 予防的治療への展開 (希少疾患から慢性疾患へ)
    8. 全身大量投与に伴う有害事象
  3. 製造・品質管理の課題と今後の展開
    1. Guidance for Industry (US FDA; 2020)
    2. FDA品質管理改革への対応、QbD
    3. AAVベクター大量製造の工程とProcess Analytical Technology
    4. 研究と倫理の両立 (生命・医学系指針への対応)
    5. Scalable helper-free producer cell line
    6. AAVベクター分析技術の比較
    7. PaVe-GT project (NIH) :遺伝子治療用製品CMC情報の共有化
    8. 遺伝子治療の本格的普及に向けたSDGs

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