近年、技術系企業において研究開発部署の担う役割はますます大きくなっています。研究開発部署がいかに機能的に働いて、有用な結果を早く効率的に創出できるかは、継続的な企業活動を築くための根幹をなしています。
研究開発を促進するためのマネジメントとしてプロジェクト制を取るケースが比較的多くなっています。技術的コアコンピテンシー創出のために特定の技術課題を達成すること、製品の上市のタイミングに合わせて研究開発スケジュールの前倒しを図ることなどを目的として、通常のマネジメント組織とは異なる運用形態が望まれる場合もあります。
一方、近年急速に広まっているアジャイル思想では、課題を小さな要素単位群に分割します。各分割単位群には設計・試作・評価を含んだ一連のパッケージとなります。この一連のパッケージを繰り返すことで、全体としての課題達成を実現する手法です。
研究開発プロセスでは顧客価値に基づく要求機能を決めることが難しく、また一旦決めた要求機能が流動的で変更しやすいという特徴があるため、アジャイル型の開発が適しています。ニーズオリエンテッドにより定めた要求機能を基にして開発すべき技術要素群を定めるため、技術要素群達成の技術的な難しさ (技術的成功確率) によってプロジェクトの成否が左右されます。このような場合においても、アジャイルを適用することで、より適した研究開発プロセスのマネジメントが可能となります。
- 研究開発におけるマネジメントとは何か
- 研究開発でマネジメントが求められる背景
- 研究開発でマネジメントに求められる要件
- 従来の研究開発のマネジメントモデルの特徴
- ステージゲート法
- ウォーターフォール
- その他
- アジャイル型マネジメントの特徴
- アジャイルとは何か?
- 従来型マネジメントとの違い
- アジャイルの種類
- スクラム (Scrum)
- リーン型開発 (Lean Development)
- エクストリームプログラミング (XP)
- その他
- 研究開発におけるアジャイル型マネジメントの導入と運用方法
- 研究開発プロセスとアジャイルの適合性
- アジャイル型マネジメントの導入環境の整備
- アジャイル型マネジメントの運用
- アジャイル型マネジメントの成果の評価
- まとめ
- 質疑応答
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