心地よさの計測、数値化と製品開発への応用

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本セミナーでは、ヒトが高級感を感じるメカニズムについて基礎から解説し、官能評価・機器測定のポイント、データの読み方、解釈の仕方について詳解いたします。

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プログラム

第1部. 感性評価による快・不快の定量評価と心地よい製品開発への応用

(2022年3月10日 10:00〜11:30)

 快・不快や心地よさについて、心地よいですかと聞かれて「はい」と答えられますが、本当にどの程度心地よいかは、定かではありません。おそらく、本人もはっきりしていないところがあると思います。このように“何となく“感じている気持ちの問題を、どのような考えと手法でデータ化していけばよいのでしょうか。さらに、ここから、品質の特定によるものづくりに、どう繋げていけばよいのでしょうか。  本セミナーでは、飲料や化粧品などの事例を踏まえて、“何となく“の見える化と設計品質化についての手順を紹介するとともに、今後の製品開発の方向性を考えたいと思います。

  1. 心地よさ、快・不快での評価の階層性
    1. 作り手の視点とお客様の視点
    2. 感性評価と設計品質化
  2. 言葉による心地よさの評価と設計品質化
    1. 乳酸飲料の事例
    2. グラフィカルモデリングの可能性
  3. 生理指標による心地よさの評価と設計品質化
    1. ホットミルクを飲むとホッとする
    2. チョコレートのカカオポリフェノール量とリラックス効果
    3. 生理指標による心地よさの定量化
  4. 時系列評価による心地よさの評価と設計品質化
    1. 基礎化粧品の心地よさ
    2. 曲線描画法とその有効性
  5. 生理指標の時系列データによる心地よさの評価と設計品質化
    1. 石鹸の泡サイズの心地よさ
    2. 3点推定法による最適物性値の特定
  6. 最後に
    1. “何となく”の見える化と設計品質化

第2部. ストレス・快適性の評価技術と開発への応用

(2022年3月10日 12:15〜13:45)

 心地よさ、快適性の研究開発における有効性評価は、これまでストレス評価法 (抗ストレス、ストレス回避など) を参考に進められてきた。しかしながら、ストレス評価技術を用いることによる課題も多いことから、本評価における最適的な評価技術が求められているのが現状である。  そこで、本講義では、まず総論的にストレス評価や快適性評価法を理解した上で実際の計測や評価に必要不可欠な心理学的、生理学的な評価技術を統合的に理解できるよう多くの計測技術を紹介したい。さらに評価上の課題についても浮き彫りにすることで香粧品や機能性食品の開発評価への展開についても言及する。

  1. 心地よさ・快適性とは?
    1. ストレス研究と快適性研究
    2. ストレス、快適性評価における生体反応概論
  2. 心地よさ・快適性と生理反応
    1. 中枢神経活動/自律神経活動/循環系/分泌系
    2. 被験者選定と試験概要と実施
  3. 心地よさ・快適性評価のための心理、生理関連計測の利点と課題
    1. 心理的評価法
        • SCL
        • POMS
        • STAI
        • SUJ
        • PANAS等
    2. 生理的評価法1
      • 自律神経系
        • 分泌
        • 循環系等
      • 生理的評価法2
      • 中枢神経系
        • 脳波
        • NIRS
        • fMRI等
      • 統合的評価法3
      • 総合的評価
        • 体動
        • 睡眠等
  4. まとめ

第3部. 心理生理学的アプローチによる心地よさの計測・評価

(2022年3月10日 14:00〜15:30)

 心地よいとはどのような状態でしょうか。快不快は感情を規定する心理事象であり、モノ との関わりでは多様な心地よさが存在すると考えられます。心地よさを心理学的に理解 し、その上でどのように評価できるのか。また、このような心理変数を生理的指標から評 価しようとする分野のことを心理生理学と言います。脳波や心電図などを、心理状態と対 応させる研究領域です。感情についても古くから研究されています。実験心理学的な手法 を組み合わせ ることで評価の範囲が広がります。ただし、実際のところ、生理指標を用 いた評価においても、はまだ分かることに制限があります。  本講義では、感情等の心理状 態に対する脳波等を用いた生理心理学的アプローチについて紹介します。

  1. はじめに
    1. 生理心理学
    2. 心地よさ
    3. 感性や感情の心理学
    4. 計測のフレームワーク
  2. 生理指標
    1. 脳波の記録と分析
    2. 自発脳波
    3. 事象関連電位
    4. 心電図
  3. 心地よさ評価の実際

第4部. 色とテクスチャーの感性評価 – 快適性と触り心地に対する色彩の影響 -

(2022年3月10日 15:45〜17:15)

 色によって感覚的な印象や感情が喚起される。たとえば、色相は温冷感、明度は重量感や硬軟感、彩度は平滑感などと関係する。快適性や心地よさは、五感によってもたらされる心理的な効果だが、視覚以外の感覚と関係をもつ色によって影響を受けることになる。快適性については、光色 (照度、色温度) による影響が知られており、照度が高く色温度も高い場合は快適であるが、照度が低く色温度が高いと快適性は低くなる。また、テクスチャー (物の表面の状態) の触感に対しても色は影響を持ち、同じテクスチャーでも色によって粗さのような物理的な触感が変わり、触り心地の良さという感性的な触感も変化する。製品のデザイン開発においてテクスチャーを含む質感が重要性を増しているが、その際は色の影響を考慮する必要がある。

  1. 色による快適性
    1. 色のしくみ
    2. 光色と快適性
    3. 色彩感情
    4. 色が喚起する快適感
  2. 色とテクスチャーによる触り心地の良さ
    1. 色が触感に及ぼす影響
    2. 触感次元
    3. 感情次元
    4. 色とテクスチャーによる快 – 不快
  3. まとめ

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