生分解性プラスチックにおける分解菌の探索、解析と海洋分解性評価

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第1部 生分解性プラスチックの分解細菌の解析とその特性評価

(2022年3月10日 10:30〜12:10)

 生分解性プラスチックが環境中、特に海水や淡水などの水圏で分解される際、主に分解を担う生物は細菌です。本講演では、水圏で生分解性プラスチックを分解する細菌について遺伝子レベルで解析する手法を紹介します。

  1. 細菌を扱う際の基礎知識
    1. 細菌の培養
    2. 細菌とバイオフィルム
    3. 細菌種の同定
    4. 次世代シーケンサーを用いた細菌叢解析
  2. 生分解性プラスチック分解細菌叢の解析例
    1. 生分解性プラスチックへのバイオフィルム形成
    2. バイオフィルムを形成する細菌の構成
    3. 生分解性プラスチック分解細菌の単離
  3. 生分解性プラスチック分解に関わる遺伝子の解析例
    1. 生分解性プラスチック分解遺伝子のクローニング
    2. 生分解性プラスチック分解酵素の機能解析

第2部 生分解性プラスチックを分解する深海微生物の探索と分解性の試験、評価およびアウトリーチ

(2022年3月10日 13:00〜14:40)

【講座の趣旨】  自然界では難分解性のプラスチックによる環境汚染問題の解決の方途として、「生分解性プラスチック」が開発され利用されてきているが、塩分濃度が高く多くの場合低温環境にさらされている海洋環境では、その分解性の限界が指摘されている。これらの海洋プラスチックゴミは最終的に「深海」に蓄積されるが、深海環境での生分解性についての検討はまだ始まったばかりである。  海洋環境に流失されているプラごみは年間800万トン以上、その殆どは深海底に蓄積されている。生分解性プラスチックでも海洋微生物、なかんずく深海微生物で分解できるものとできないものとが存在する。既知の生分解性プラスチックを分解できる深海微生物を探索し、その分解評価法について考察した。  本講座では、高圧・低温環境下に適応した深海微生物による生分解性プラスチックの生分解性試験についての演者らの成果について解説し、あわせ、成果のアウトリーチ活動について紹介したい。

  1. 海洋プラスチック問題とは?
    1. 海洋は地球表面の70%
    2. 深海にもプラスチックごみが!
    3. 世界の海に広がるプラスチック汚染
  2. 生分解性プラスチックは深海微生物で分解できるか?
    1. 生分解性プラスチック微生物の深海からの探索
    2. 分離された微生物の性質
  3. 深海微生物による生分解性プラスチック分解試験・評価法
    1. 従来の生分解性プラスチック分解試験・評価法の応用
    2. 低温・高圧下での連続培養による生分解性プラスチック分解評価例
    3. 生分解性プラスチック分解酵素
  4. 研究成果のアウトリーチ? SDGs-14を目指して?
    1. NPO法人チームくじら号の出航
    2. うみの環境しらべ隊活動
    3. 海の環境問題にどのように立ち向かうか?

第3部 海洋生分解性の評価法

(2022年3月10日 14:50〜16:30)

 海洋生分解性プラスチックの開発、及び社会実装に向けての国内外の動向について紹介する。また、現在の海洋生分解性の評価法及び課題等について実例を紹介するとともに、演者が開発した加速試験について紹介する。

  1. 海洋生分解性プラスチックの開発動向
    1. 海洋生分解性プラスチック開発・導入普及ロードマップの概要
    2. 国内外の取り組み
    3. 生分解プラスチックの識別表示制度
  2. 海洋生分解性プラスチックの評価
    1. ISO等の生分解度評価法
    2. フィールド試験
    3. 海洋生分解性評価の加速化

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