錠剤は携帯性に優れ、容易に一定量の薬物を服用できることから有用な剤形である。錠剤の製造は、一般に原料の粉砕、ふるい分け、混合、造粒、乾燥、整粒、滑沢剤混合、打錠およびコーティングの各工程からなる。
本講演では、錠剤製造における各工程の基礎とスケールアップ・トラブル対策について解説する。はじめに、各種造粒法における顆粒特性の比較、粉砕の目的と粉砕例、混合粉体の偏析とその防止対策、成分の改質 (乳タンパクの水への分散性を改善、油状成分の改質など) 。そして、「造粒」については撹拌造粒・流動層造粒・乾式造粒など、それぞれのメカニズムと造粒事例、撹拌造粒および流動層造粒のスケールアップについて説明する。「打錠」では、各種造粒法と錠剤物性、粉体の圧縮メカニズムと粉体の圧縮成形性評価、そして食品の錠剤化で問題となる硬度が高くならない、カケやすいなどの改善策、打錠障害を起こす各種原因とその改善法、滑沢剤の混合時間と展延状態、スケールアップにおける打錠条件 (打錠機の回転数の設定) 。「コーティング」については、コーティングのメカニズム、糖衣コーティングとフィルムコーティングのプロセスにおける相違、フィルムコーティングの事例とサプリメントのコーティング事例としてイチョウ葉エキス含有錠、また、カプセル剤 (ハード・ソフト) の概要とサプルメントへの応用 (ソフト) 、さらに、フィルムコーティングのスケールアップについても触れる。
- 医薬品・食品開発における造粒技術の基礎とスケールアップ・トラブル対策
- 造粒の目的
- 造粒の定義と代表的な造粒方法
- 医薬品
- 食品の各種造粒法における比較
- 製品特性
- 造粒特性など
- 粉砕工程
- 粉砕のメカニズム
- 被粉砕物の物性と粉砕方法
- 原料粉砕例など
- ふる分け工程
- 混合工程
- 混合のメカニズム
- 混合の均一化と混合粉体の偏析など
- 乳タンパクの流動性および水への分散性を改善した造粒法
- 潮解性の高い成分および油状成分の改質
- 湿式造粒における適正な結合液添加量
- 攪拌造粒、流動層造粒、それぞれのメカニズムと造粒事例
- 粉末食品の流動層造粒プロセスにおける自動化の事例
- 複合型造粒装置 (攪拌転動流動造粒)
- 乾式造粒のメカニズムと事例
- 添加剤としてコメデンプン
- 結晶セルロースなどを用いた
- 乾燥工程
- 整粒工程
- 攪拌造粒・流動層造粒におけるスケールアップとスケールアップでの問題点
- 医薬品・食品開発における打錠技術の基礎とスケールアップ・トラブル対策
- 錠剤化の目的と特徴
- 医薬品としての錠剤と食品の錠剤との相違
- 医薬品として要望される品質
- 食品の錠剤化における問題点
- 造粒法と錠剤物性
- 流動層造粒
- 多機能型造粒
- 加熱転動造粒
- 高速攪拌造粒
- 乾式造粒法
- 直接打錠法のメリットと直接打錠法で最も重要な要因は?
- サプリメントの錠剤化事例 (グルコサミン塩酸塩含有錠)
- 粉体の圧縮メカニズムと粉体の圧縮成形性評価
- 打錠で要求される要素と要因 (粉体側および打錠機側)
- 打錠条件の設定と錠剤の重量変動抑制
- 打錠障害およびトラブルが発生した場合の対応
- キャッピングのメカニズムと定量的な評価法
- スティッキングのメカニズムと定量的な評価法
- 滑沢剤の混合時間と錠剤強度および滑沢剤の混合時間と展延状態は?
- 各種混合機による滑沢剤混合とその錠剤硬度
- 内部滑沢と外部滑沢法の比較
- スケールアップにおける打錠条件 (打錠機の回転数の設定)
- 医薬品・食品開発におけるコーティング技術の基礎とスケールアップ・トラブル対策
- コーティングの役割
- 錠剤コーティングにおけるポイント
- 素錠の特性
- コーティングにおける濡れと乾燥の制御
- コーティングの均一性
- コーティングのメカニズム
- 医薬用と食品用コーティング剤一覧
- コーティング装置
- シュガーコーティング
- 糖衣コーティングとフィルムコーティングのプロセスにおける相違は?
- フィルムコーティングの事例
- フィルムコーティングのトラブルシューティング
- カプセル剤 (ハード・ソフト) の概要とサプリメントへの応用 (ソフト)
- サプリメント (食品) におけるコーティング事例
- フィルムコーティングのスケールアップ
複数名受講割引
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 25,000円(税別) / 27,500円(税込) で受講いただけます。
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