1890年に起きた足尾鉱毒事件は有名な公害問題であるが、公害対策基本法が施行されたのは1967年のことである。この後1972年に自然環境保全法が施行されるが、環境問題は地球規模で起きており、これらの法律で対応できなくなった。
1992年に開催された地球サミットで地球規模の環境問題が世界で共有化され、わが国でも1993年に公害対策基本法に代わり環境基本法が施行された。
ところが2016年に開かれた通称「ダボス会議」では、「2050年には海の中のプラスチックの重量が魚の重量を越える」という衝撃の予測が提示され、プラスチックスとゴムの廃材で起きている環境問題が世界中でクローズアップされた。最近では、3RにRefuseを加えた4Rが合言葉となった脱プラスチック運動が世界で起きている。国連が示したSDGsでも廃棄物の発生防止と削減が重点となっており、特に高分子材料についてこれまでの環境対策の見直しが急務である。
本セミナーでは、これまでの環境問題の変遷についてわかりやすく解説するとともに、今求められている環境対応技術について、高分子材料に焦点を当てて解説する。脱プラスチックスが世界の合言葉として叫ばれているが、この潮流の中でどのように環境問題解決に貢献し持続的な企業活動を実現したらよいのか事例とともに提案する。
- 世界が直面する危機と高分子材料
- 高分子材料の大半はゴミ。
- 高分子材料の無い生活に戻れない。
- 海洋プラごみが決定づけたゴミ問題
- 先進国が輸出していたゴミ
- 高分子材料の基礎知識
- 高分子材料とは
- 高分子材料の物性と評価技術
- 評価技術概論
- 事例:半導体ベルトのLCA
- 高分子材料のプロセシング
- バイオプラスチック
- オイルリファイナリーからバイオリファイナリーへ
- ミドリムシプラスチック
- パルプ・樹脂複合材料
- 高分子材料と環境問題
- 環境問題と世界の動向
- 環境問題の変遷
- 自動車業界の事例
- ごみ処理とサプライチェーン
- クローズアップされた海洋プラごみ
- 環境対策の事例
- 脱高分子材料を考える
- 3Rから4Rへ
- バイオプラスチックの誤解
- 事例による脱高分子材料考察
- 高分子材料技術のあるべき姿
- 高分子材料技術再考
- もう一つのR
- まとめ
- 解決策案1
- 解決策案2
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