本セミナーでは、産業用モータとEV用モータとを比較しながら、インバータ駆動モータの部分放電と絶縁評価、ポリマー絶縁材料のインパルス試験方法とその問題点について基礎から詳しく解説いたします。
2050年までに地球温暖化ガスである二酸化炭素 (CO2) の排出量実質ゼロを目標に掲げ、幅広い産業分野において電動化が加速している。世界的な潮流として、2030年頃にはガソリン車の販売が廃止され、電気自動車 (EV) が主流となる時代が到来する。HEV/EV用パワートレインの主要ユニットであるパワー制御システム、コンバータ、インバータ、電動モータ本体は、高密度化、高放熱化、高効率化に向けた技術改良が行われている。この電動化の開発競争において、新たな技術課題となっているのが、繰り返しサージ電圧による各主要ユニット内での絶縁破壊の前駆現象、つまり微弱な部分放電の診断と対策である。 インバータ電源の開発において、高効率な次世代パワー半導体デバイス (SiC,GaN) が実装されたパワーモジュールの高温下における高圧絶縁性能の評価技術が重要となって来ている。また、小形軽量化とともに、高電圧化による高回転・高出力化設計されるモータ本体についても、インバータから高繰り返し発生する立ち上がりの急峻な高インパルス電圧に対する絶縁信頼性向上の技術開発が求められている。 本セミナーでは、電動化の基本ユニットであるパワーモジュールやモータにおいて、「いかに絶縁破壊につながる部分放電を発生させないか」の基本対策や電動化の必須技術として具体的に役立つ貴重な知識と実験のノウハウについて習得できる。様々な環境要因で複雑に変化する部分放電の発生機構、その具体的な計測方法や各部の絶縁構造・材料など絶縁性能評価法の基礎から応用まで詳しく講義する。