第1部 粘着剤、粘着テープの力学特性とその挙動
(2022年2月10日 10:30〜12:10)
粘着・剥離現象のメカニズムについて、理論的枠組みと実例を紹介する。 (1) 粘着剤の代表的な材料である高分子の力学物性 (粘弾性・時間温度換算則) 、ならびに、粘着の3要素 (タック・保持力・粘着力) について、それらの意味をレオロジーの観点から説明する。 (2) 粘着剤の開発においては、「くっつきやすく、はがしやすい」粘着剤が良いとされる事が多いが、このような良い粘着剤を推定する経験則を紹介する。 (3) 粘着剤は剥離のとき大変形し、様々な特徴的な形態の形成される場合がある。タック測定時、および、テープ剥離時における形態形成の実例を紹介する。
- はじめに
- 接着と粘着
- 粘着・剥離を観るスケール
- 用語解説
- 粘着剤のレオロジー
- 粘性と弾性
- 高分子の粘弾性
- 粘着剤に関する経験則
- 粘着剤の大変形・形態形成
- タック測定における事例
- テープ剥離測定における事例
第2部 走査プローブ顕微鏡 (SPM) を中心とした粘着・接着材料表面および界面での物性・構造評価
(2022年2月10日 13:00〜14:40)
粘着材料に関して、例えば、ラミネートできない、剥がせる粘着テープを剥がした時に糊残りしてしまうなどの不具合が生じたときに、IRやXPSなどの表面分析手法でも差が見られずに、原因が分からないという経験をされた方も多いかと思います。そのような場合には、走査プローブ顕微鏡 (SPM) を用いた表面物性・構造評価技術が活用できるケースがあります。
本講演では、SPMの原理とともに、実際の評価事例や総合解析事例について紹介します。
- 走査プローブ顕微鏡 (SPM) を用いた高分子材料表面・界面での評価事例
- SPM とは…
- SPM の各測定モード
- DFM (ダイナミックフォースモード) による表面粘弾性特性評価
- LFM (水平力顕微鏡) による摩擦力の温度依存性測定 (表面の分子運動性)
- CFM (化学力顕微鏡) による材料表面の親水性疎水性評価
- FC (フォースカーブ) 法による表面弾性率測定 (硬化状態の評価)
- FCM (フォースカーブマッピング) による表面弾性率マッピング測定
- AFM – IR (ナノI R ) による局所領域での構造・組成の評価
- ナノTA による局所領域での熱特性の評価
- 走査プローブ顕微鏡 (SPM) と他の分析手法を組み合わせた総合解析事例
- 高分子表面・界面での総合解析
- 【事例①】表層を劣化させた表面保護テープでの劣化原因解析
- 【事例②】ポリオレフィンの表面改質前後での密着性向上の原因解析
- 【事例③】被着体表面でのアクリル系粘着剤の糊残り総合解析
- 【事例④】PMMA 樹脂の耐候性試験による劣化要因解析
- 【事例⑤】エポキシ系接着剤での熱劣化要因総合解析
- 【事例⑥】金属 – 樹脂接合材料の接合界面での樹脂の密着性原因解析
- 繊維強化プラスチック (FRP) 材料の劣化解析 (繊維 – 樹脂界面での密着性評価を含む)
- FRP での樹脂及び繊維樹脂界面での総合解析
- 耐候性試験による劣化解析 (炭素繊維/熱硬化性樹脂)
- 熱老化試験による劣化解析 (ガラス繊維/ポリプロピレン樹脂)
第3部 レオロジー測定による粘着剤の物性評価
(2022年2月10日 14:50〜16:30)
レオロジー測定は材料の粘性と弾性を同時に評価することができ、材料の流動特性から内部構造の評価まで幅広い用途に応用できる。
本セミナーでは、レオロジー測定の基礎から、未架橋粘着材の塗布工程の評価に必要な複雑な流動特性、ゲル化や熱硬化などの硬化特性、粘着特性、剥離特性など、粘着剤の設計において重要な評価項目を測定例と共に紹介する。
- レオロジー測定の概要
- 粘弾性体とは?
- レオロジー測定とは?
- レオメータとは?
- レオロジー測定の基礎
- レオロジー測定の概要
- 回転 (静的) 測定と応用例
- 振動 (動的) 測定と応用例
- 粘着材・接着剤の評価
- 材料の塗布行程の評価
- 硬化過程の評価
- 粘着性 (タック性) 、剥離性 (ピール性) 評価
- 温度特性評価 (プローブタックとの相関など)
- 湿度変化による物性評価
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 50,000円(税別) / 55,000円(税込) で受講いただけます。
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