感性の計測技術と製品開発への応用

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プログラム

第1部 質感と感性の計測・分析方法

(2022年1月25日 10:30〜12:00)

 感性にまつわる技術の開発においては、最終的なユーザーである人間の心理や精神の科学的理解が必須である。優れた感性技術は常に人間の感覚器や脳の特性に適合しているものである。過去10年ほどの間に、われわれの研究を起点として人間の脳が映像からどのように光沢や透明感といった物理的な質感を知覚しているかは明らかにされてきた。われわれは最近、この物理的質感の単なる知覚を越えて、質感の美醜や好みなどの「感性的価値」を判断する脳の情報処理メカニズムに迫りつつある。  本講演では、映像のなかのどのような情報が心地よい質感や気持ち悪い質感を決めているのか、また脳がそのような情報をどのように処理しているか、を豊富なデモや錯視、実験の実例を交えて紹介する。それとともに、こうした質感の美醜や好みを人間の行動や脳活動から客観的に計測・予測・制御するための手法の基礎を解説する。

  1. 視覚情報処理の基礎
    1. 視覚情報処理の概要
    2. 視覚情報処理の基礎モデル
  2. 質感と感性
    1. 質感・感性情報処理の基礎
    2. 画像が引き起こす自動的な快不快について
    3. 視覚情報処理に基づく美術の解析
  3. 質感・感性・快不快の実験と分析
    1. 主観を客観的に測るための枠組み
    2. 感性計測のための心理物理学的測定法
    3. 画像処理と自然画像統計学
    4. 実例集

第2部 感性計測技術の製品評価への応用

(2022年1月25日 13:00〜14:30)

 客観的・定量的な生体情報を指標として製品の感性評価を行うために必要となる基本的な知識および技術を紹介する。

  1. 生体システム
    1. 生体システムの構成
    2. 脳神経系
    3. 神経系の情報処理
    4. 感覚・知覚・認知・記憶
  2. 生体情報の計測・評価
    1. 生体情報計測概論
    2. 心理計測
    3. 生理計測
    4. 行動計測
  3. 生体情報による製品の感性評価
    1. ストレスの評価
    2. 疲労の評価
    3. 快適感の評価
    4. 使用感の評価
  4. 生体情報計測の実際
    1. 実験デザイン
    2. データ処理
    3. その他

第3部 生体データから感情を推定する技術基盤の開発と各分野へ向けた活用事例

(2022年1月25日 14:40〜16:10)

 近年注目され始めている、ヒトの心身状態を計測する技術の講義となります。特に、精神状態を生体情報から推論するために、前提となる身体のメカニズムを中心に解説します。  最も代表的な例として、心拍変動、皮膚電気活動、体温を利用したストレス推定を、実例を交えて解説します。また、感情認識技術と共に利用が考えられる行動推定について簡単に触れます。

  1. 感情認識技術の概要
  2. 生理心理学の基礎
    1. 感情と情動
    2. 情動反応
  3. 情動反応の計測
    1. 心拍活動
      1. 心臓活動の基礎
      2. 実験・計測・解析の例
      3. 非接触計測手法
    2. 皮膚電気活動
      1. 皮膚電気活動の基礎
      2. 実験・計測・解析の例
    3. 体温
      1. 温熱系の基礎
      2. 実験・計測・解析の例
  4. 行動計測
    1. 行動計測の役割
    2. いくつかの手法

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