音声やジェスチャで操作できるスマートフォンやテレビ、自動車など、これまで慣れ親しんできた諸製品がよりインテリジェントな形に生まれ変わろうとしている。これらスマート・デバイスはインターネットで互いに連携し、クラウド上に音楽や映像、ゲームや電子書籍など各種コンテンツを保存・共有する。エレクトロニクスや自動車などのメーカーに加え、そこにネットワーク・インフラを供給する通信キャリア、コンテンツを供給するゲーム・メーカーや出版社、音楽・テレビ放送会社など、広範囲に渡る業界がスマート・デバイスに熱い視線を注いでいる。 これまでスマート・デバイスへのアプリやコンテンツ配信は、アップルの「iTunes (App Store) 」やGoogleの「Android Market」など、特定企業の配信プラットフォームに頼らざるを得なかった。しかし、ここに来て次世代ウェブ標準「HTML5」をプラットフォームにしようとする企業が世界的に増加している。 本レクチャーでは、スマート化するモバイル、テレビ、家電、自動車の実例を今年のConsumer Electronics ShowとMobile World Congressにおける取材ビデオなどで紹介する。そして、新たなビジネス・チャンスとなるスマート・デバイス市場で、AppleやGoogle、Amazon、Facebookなど米IT列強に伍して、日本企業がとるべきHTML5戦略を検討し、共有したい。