RoHS指令は、欧州連合 (EU) において、電気・電子機器のリサイクルを容易にするため、また、最終的に埋立てや焼却処分されるときに、人や環境に影響を与えないように、電気・電子機器の有害物質を非含有とさせることを目的として制定されました。私たちの生活を豊かにする、携帯電話、パソコン、冷蔵庫、空調機器をはじめ、医療機器にも様々な素材が使われています。素材の中には、化学反応を起こして作られた化学物質も含まれます。化学物質の一部には、人の健康を害するものや環境に悪影響を及ぼす物質もあります。 このような危険性のある化学物質による人の健康や環境への悪影響を抑えるため、各国で特定の化学物質への規制が行われ、その対象は薬剤などの化学品や完成品の商品にまで広がっています。EUでは、廃電気・廃電子機器の約90%が正しい処理を経ずに埋立てや焼却されており、化学物質が地下水へ浸出することによる環境汚染、また人体への悪影響が問題となっています。 このため、EUでは「RoHS指令」 (Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment) という電気・電子機器における特定有害物質の使用制限に関する法律が2003年2月13日に告示され、2006年7月1日から施行されました。 このRoHS指令は大幅に改正され、2013年1月3日から施行されています。RoHS指令は欧州に製品・部品・素材を輸出する日本の企業にとって、重要な法律です。 本セミナーは、初心者の方にRoHS指令の要点を分かりやすく解説します。