第1部. プラスミドDNAのCMCに関わる規制要件と対応
(2022年1月14日 10:00〜12:00)
プラスミドは、遺伝子治療ツールとして最も歴史が長いものであるが、最近の相次ぐ再生医療等製品上市の流れの中で、そして何と言ってもCOVID-19パンデミックの中で新たなワクチンプラットフォームとして、俄かに注目を浴びている。
本講座では、プラスミドについての科学的基本事項の復習から始め、医療製品としての位置付けと適応、製品開発における規制要件と対応、上市された製品の審査過程にみるCMCに関する論点などを解説する。プラスミドについての包括的理解を形成し、製造の実際について論じられる第2部・第3部への導入としたい。
- プラスミドとは
- 基本構成とトポロジー
- 精製原理
- 治療モダリティとしてのプラスミド
- 薬機法における位置付け
- 規制要件
- 指針、ガイダンス
- 生物由来原料基準
- 無菌試験、マイコプラズマ否定試験、エンドトキシン試験
- 工程由来不純物
- 既承認品目における承認審査の論点
- 最終製品として
- ウイルスベクターの原材料として
- 細胞加工製品の出発原材料として
- 情報リソース
- 参考文献
- URL
第2部. ベクター製造でのGMP・規制対応
(2022年1月14日 13:00〜15:00)
ここ数年でウイルスベクター製造の需要が飛躍的に高まっている。再生医療等製品、特には遺伝子治療用ウイルスベクターの開発に始まり、2020年からのコロナウイルスワクチン開発でも一部メーカーではウイルスベクターを利用したワクチンが誕生した。今後、これまで以上にベクターの開発・製造が活性化することが想定される一方、国内でベクター製造を担える企業はまだまだ足りていない。
今回は、ベクター、特にウイルスベクターに注目して製造プロセス及び設備、関連する法規制対応について取り上げる。
- ベクターとは
- ベクターの種類
- ベクターの利活用
- ウイルスベクター
- 製造のプロセス概要
- 製造の設備
- 規制とその対応
- 製造関連法令
- 製造関連法令詳細
- カルタヘナ法
- カルタヘナ法に基づく封じ込め対応
- まとめ・その他
第3部. キャピラリー電気泳動法による核酸・蛋白質医薬品解析の自動化・標準化
~プラスミド・アデノ随伴ウィルス・RNAワクチンへの応用~
(2022年1月14日 15:15〜16:45)
キャピラリー電気泳動 (CE) 法はシリカ製毛細管 (キャピラリー) を分離空間とする電気泳動法で、この分離空間途上に検出部を設け直接分離プロファイルをモニターでき、自動化可能な分離分析システムとして成立しています。元来電気泳動法はゲル版を用いる形で蛋白質・核酸などの生体高分子解析手法として重要ですが、これら高分子が医薬品主成分などとして応用されるに至り、自動化・標準化が可能なより信頼できる試験法が要求され、CE法が抜擢されました。今日では生物製剤の研究開発、最終製品出荷試験を含める品質管理に広く応用されています。最初の普及は抗体医薬品を中心とする蛋白質製剤応用でした。それに続いて遺伝子治療医薬品において、核酸応用を加える形で普及が始まっています。
本日はこの分野で注目されているプラスミド・アデノ随伴ウィルス・RNAワクチンへの応用を、CE法の原理やGLP/GMP対応と合わせて説明申し上げます。
- CE法の概要、 機構と分離原理
- CE法とLC法の違い、それに基づく注意点
- CE法の薬局方における位置付け
- CE法分離におけるパラメータ設定
- エービー・サイエックスCEシステムにおけるGLP/GMP対応
- CE法の生物製剤における糖蛋白質解析概要
- CE法の核酸解析応用 (2本鎖核酸及びmRNA含む1本鎖核酸)
- CE法のプラスミド高次構造 (トポロジー) 解析応用
- 質疑応答
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