機械学習 (AI) を用いた結晶構造予測、構造解析の自動化

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第1部. 機械学習による物質探索のための結晶構造記述子

(2021年12月22日 10:30〜12:00)

 構造は凝縮系、特に結晶系において最も基本的な属性であり、主として配位や対称性を介して電子状態を支配している。構造はその組成を限っても一般的に多くの種類があり、それを分類することが物質探索のひとつのヒントとなる。  ここでは、ある組成に対して与えられた複数の結晶構造を対象として、これを分類する手法を提案する。得られた構造空間での特徴主成分は回帰モデリングにおける記述子として用いられる。いくつかの化合物系での応用例を示すと共に、開発されたアプリの紹介とデモを行う。

  1. はじめに
  2. 結晶構造データベースとCIF
  3. 結晶構造分類手法
    1. 構造のfingerprint
    2. 構造の類似性
    3. 次元削減による構造のマッピング
    4. 構造における配置の生成
    5. 線形独立記述子生成 (LIDG) 法
  4. 応用例
  5. アプリの紹介・デモ

第2部. 結晶構造解析の自動化技術

(2021年12月22日 12:45〜14:15)

 物質・材料の研究開発において計測および評価は不可欠なプロセスである。中でも物質・材料の最も基本的な情報である結晶構造を実験的に求めることが可能な、X線回折を用いた結晶構造解析は幅広く用いられている技術である。しかしながら、結晶構造解析には熟練が必要とされ、初心者が使いこなすことは難しいと考えられてきた。最近の機械学習技術により、結晶構造解析は自動化され、熟練者を超える精度を達成するまでになってきた。  本講では、結晶構造解析の自動化技術について解説を行う。

  1. 結晶構造解析とは
    1. X線回折の基礎
  2. 機械学習を用いた結晶構造予測
    1. 機械学習の基礎:解釈可能な機械学習
    2. 大規模なX線回折データベースの構築
    3. 機械学習を用いた結晶構造予測
    4. 熟練者の勘・コツの定式化
  3. 最適化手法による結晶構造解析の自動化
    1. 結晶構造解析のワークフロー
    2. 最適化技術;ベイズ最適化など
    3. 結晶構造解析への最適化技術の適用
    4. 実例の紹介

第3部. 機械学習を用いた結晶構造予測

(2021年12月22日 14:30〜15:45)

 機械学習を用いて与えられた組成式から結晶構造を予測する研究はいくつかの報告例があるが、機械学習を用いた予測モデルは結晶形成に影響を与える化学/物理的因子を調べることが難しく、未だ結晶決定に関する謎は多く残されていた。  本講演では、無機化合物の結晶系を組成式から予測する解釈性の高い機械学習モデルの構築と予測、そしてその因子の様子を述べる。組成式を構成している原子の原子半径・組成等から作成した128個の特徴量を用いて無機化合物の結晶系を予測した。機械学習モデルRandom Forestを用いた予測モデルは0.682の正解率を示した。加えて可視化モデルであるGTMを用いて結晶構造同士の分布を可視化し、辺の長さに関して同じ対称性を有する結晶系同士は互いに似た性質を持つことを初めて示した。

  1. 背景
    • Materials Informaticsにおける結晶構造予測
    • 組成式からの結晶構造予測が困難な理由
    • 組成式からの結晶構造予測の先行研究
  2. 先行研究の問題点
  3. 予測対象: 結晶系
  4. 手法
    • 機械学習モデルの構築
    • 三元系組成式と結晶系のデータセット
    • 特徴量の作成
    • 機械学習モデルの構築
  5. 結果
    • GTMによる各結晶系分布の可視化
    • cubicに基づくGTMマップの解釈
    • 結晶系同士の類似度の調査
    • a=b=cの結晶系の可視化
    • a≠b≠cの結晶系の可視化
    • a=b≠cの結晶系の可視化
    • 辺の関係性から結晶系を可視化
    • 結晶系分類

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