本講演は2022年初頭に、S&T出版社から発刊予定の本、「EV用電池と電池材料のサプライ・チェーンSC」の主要な項目を、講演型式に編成した内容である。左記の本の調査と下書きは2021年秋頃から進めていたが、EVとEV用電池、更にはそれら原材料のサプライ・チェーンSCの問題が大きな課題となって押し寄せて来た。1週間前に書いた原稿を、数回も書き直すほどに、状況の変化は激しい。その点、Webでの講演であれば、今朝の情報を盛り込むことも可能である。
最近の情報で元も大きかったニュースは、2021年12月14日のトヨタ自動車の発表、EV350万台 (2030年) である。それに要する電池は新たに2兆円の投資で、280GWhの総量である。トヨタに限らず、VW社は240GWhを内製するとの発表である。
本講演では第1部のEV台数2030/35と第2部の電池増産計画を軸に、それらに必要な正・負極材ほかの電池部材のSCを可能な限り数値で試算し、ニッケルやコバルトの鉱産開発事例を含めて考察したい。また正・負極材などの選択も、電池のコストダウン重視から、従来とは流れが変わった様にも見える。更には新規な全固体電池の材料マーケットの立ち上がりなども触れたい。
- 第1部2030、2035のEV台数と所用電池GWh
- 欧米の脱ガソリンでEV1800万台 (EU) +1300万台 (中国) 、900万台 (米国) と350万台 (トヨタ)
- 計4000年〜5000年万台
- 所要電池は3000GWh
- 第2部EV用電池の増産計画 (一覧)
- 中国、韓国と欧州の内製化
- 上記の総GWhは、確実に原材料が不足する。
今から鉱山を掘って、果たして間に合うか
- 第3部総電池GWh数に対する元素資源のマス
- 第4部正・負極材の選択動向とSC
- 第5部セパレータ他の部材のSC
- 第6部全固体電池などの新規な材料のSC
- 第7部電池関係SCへの新規参入
- 第8部 基礎資料
- EV用電池システムの構成
- EV用電池の性能 W、Wh
- 主な正極材の化学組成と容量
- 日本の電池生産統計
- リチウムイオン電池の製造工程
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