非無菌製剤の製造環境管理に関しては、WHO、ISPEなどから貴重な文献が発行されているが、三局の規制当局から指針などが出されていない。しかし、受託及びジェネリック生産を含む多くの製薬企業が適正な管理レベルについて、2020年2月に出された「PIC/S GMP Annex 1 Revision Draft-2:無菌医薬品製造に関する指針」を参考にして製造実践すべきと考えられる。
また、2021年9月にFDAからMicrobiological Quality Considerations in Non-sterile Drug Manufacturing Guidance for IndustryがDraft Guidanceとして出されており、その中の重要な個所を解説する。更に本講では、ICH Q-9のリスクに基づく製造環境の維持及び管理手法の構築と維持管理に関して、多様な視点からその管理レベルに関して詳説する。
- 無菌製剤と非無菌製剤の違いと共通事項
- 非無菌製剤に適用されるGMP上の重要な管理項目
- WHO GMPに基づく非無菌製剤の管理手法と留意点
- 非無菌製剤に対する製造管理における査察時に対応すべき重要事項
- 非無菌医薬品の環境管理の留意点と管理範囲におけるAlertとAction Limitsの関係とデータ管理
- 水と空調管理システム対応した封じ込めと陽圧管理による差圧の維持
- 非無菌製剤に対する製薬用水 (精製水) における菌管理の留意点
- PIC/S-GMP Annex 1 無菌医薬品製造指針から見た環境リスクアセスメントに基づく非無菌医薬品製造の維持管理
- データの活用に基づくリスクアセスメントの考え方 (ISO31000)
- リスクアセスメントの実施手順
- リスクアセスメントとリスクガバナンスの関係
- リスクに基づく製造環境の維持の重要性とモニタリング頻度の決定
- 蓄積されたBig Dataの検索に基づく設備機器の保全管理の徹底
- FDAのガイドラインに基づく非無菌製剤の製造管理に求められる交叉汚染及び異物混入の防止レベル
- 更衣室内での作業衣の着脱管理における区分けの留意点
- 専用設備か兼用設備課の判断根拠に対して関連指針類を参考にした個別の要因の解析、評価による対応
- 人的依存からの脱却と自動化推進の重要性 (FDAが推進する21世紀のGMP対応)
- 非無菌製剤の製品品質の確保に関する具体的手法と維持管理
- QbD (Quality by Design) に基づく製造 (作り込み) 品質確保の重要性
- ICH QA, Q8, Q9, Q10, Q11, Q12から学習すべき逸脱管理とDesign Space
- 設備改善時の変更管理の留意点と自動化 (連続生産:ICH Q13) 方策
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