我々が日常取り扱う画像・映像は全てカラー信号である現状においても、それら画像・映像信号の処理の殆どが、濃淡画像で明らかにされてきた処理方式をカラー画像信号のRGB各成分もしくは輝度成分のみに施すことで対応してきている。しかしながら、カラー画像信号は色空間 (表色系) の選び方の自由度があったり、RGB色空間では成分間に強い相関性があったりとカラー画像信号固有の特殊性がある。これらの特殊性を理解、利用することで処理性能の向上が見込まれる。
本セミナーではカラー画像のための復元・強調手法を濃淡画像のそれらとの比較のもとで明らかにする。更に、画像評価法、特に、感性と合致する客観評価法に関して最近の研究動向を紹介する。
- カラー画像に関する基礎知識
- 表色系
- RGB表色系
- XYZ表色系
- xy色度図と色知覚特性
- 均等色空間
- 視覚の特性
- 視覚系の構造
- 網膜による信号処理
- 視覚のスペクトル感度特性と空間周波数特性
- カラー画像のための復元法
- ガウス性雑音による劣化画像の復元
- インパル性雑音による劣化画像の復元
- メディアンフィルタとスイッチングメディアンフィルタ
- ベクトルメディアンフィルタ
- RGB成分間相関を利用したインパルス性雑音除去法
- カラー画像のためのコントラスト強調法
- ヒストグラム変換によるコントラスト強調
- カラー画像のためのヒストグラム変換に基づく強調法
- 視覚特性を考慮しないカラー画像強調
- 視覚特性を考慮したカラー画像強調
- 彩度強調を併用したカラー画像強調
- 感性と合致した画像評価法
- 客観評価と主観評価
- 感性と合致した画像評価法