2050年カーボンニュートラルに向けて、わが国の環境エネルギー分野は大胆な変革が望まれる状況にある。このような中、宇宙から見ると閉じた物質系である地球、この永続性を担保するために、我々はいずれ地下資源利用から脱却し、地上資源と太陽エネルギーを用いた新しいプロセスへと移行することが期待される。本講演では、カーボンニュートラルなどの日本政府の政策、IPCC第6次報告のインプリケーション、並びに自然科学的あるいは社会的背景を整理し、なぜカーボンニュートラルが重要なのか、そのためにはどうすればよいか、をまとめる。化石資源利用から脱却し、サスティナビリティのある次世代プロセスについて考えるきっかけとしたい。
講師は、大学の研究者として、これまで二酸化炭素再資源化を含めた200報以上の海外一流誌への英語論文執筆を行ってきており、また世界で最も長い歴史を誇るFUEL誌 (オランダ) の編集責任者も務め、またJSTさきがけ、NEDO未踏チャレンジなどの研究総括も務めている。このような中で、最新の研究の動向を知りうる立場にいる。 一方で、政府のグリーンイノベーション戦略などの策定のための数多くの審議会・委員会や、国内外の多くの学協会の役員なども務め、俯瞰的視点で地球の未来を考え、今後進むべき方向を提案している。このようなバックグランドを基に、現状を俯瞰し、今後の動向・展開をまとめる
- IPCC第6次報告のインプリケーション
- 日本政府のグリーンイノベーション戦略とカーボンニュートラル実現
- カーボンニュートラルのための自然科学的・社会的状況
- 地下資源利用から脱却し地上資源と太陽光で動くプロセスを考える
- 二酸化炭素再資源化はなぜ必要なのか、二酸化炭素再資源化のためには何をすべきか
- 二酸化炭素再資源化プロセスの各論
- E-fuel
- SAF
- Power to Gas
- グリーンLPG
- Eナフサなど
- カーボンプライシングの現状と今後
- カーボンニュートラルに関しての世界の動向
- 今後の展開と進むべき道
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