金属疲労のメカニズムと疲労強度の向上技術

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本セミナーでは、疲労強度の基本知識に加え、鉄鋼材料を中心とする材料強度の基本知識、疲労強度の向上方法、環境因子の影響、疲労き裂進展解析、さらに非破壊検査法、等の幅広い範囲を実データも交えながら、わかり易く解説いたします。

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プログラム

金属疲労については、その社会的影響の大きさからマスコミでも取り上げられ既に周知されているところです。その原因の多くが設計段階でのミスとされています (次に過負荷,環境の順) 。安全を見過ぎた設計をすれば製品として成立しないか、または競争力を失うことになります。また、亀裂を早期発見しようとしても高額な費用を要するばかりでなく、発見が困難な場合が殆どです。なによりも信頼性を確保した上での適切な強度設計が大切なのです。疲労は繰返し応力により微小亀裂を生成し、その亀裂が材料内を少しずつ進んで破壊に至るミクロな自然現象なので、多くの要因 (材料、使用環境など) の影響を受けます。このため、設計の信頼性を高めるためには、力学的な検討に加え、強度を担保する実体である材料の疲労メカニズムの理解が重要になります。  本研修では、最近、教育の機会が減少しているのではないかと懸念される金属材料強度 (鉄鋼を中心とする構造用材料) を基本に、疲労強度設計法の基礎、さらには疲労強度の向上方法までの幅広い範囲を実例や講師の経験も交えながらできるだけわかり易く、しかも本質的な技術ポイントを押さえながら研修し、実際に役立つ知識としていただくことを狙います。  製品の設計者のみならず生産技術、製品や設備の保全・修理、品質保証までの幅広い層の初心者から管理者まで。金属疲労を含む金属の強度に関心のある方。基礎知識から講義しますが、金属材料や強度に関して簡単な予備知識や経験があるとより理解し易いと思います。  疲労強度の設計手法 (形状と応力) に関する基本知識は勿論のこと、金属材料強度の本質である転位や結晶粒などの材料知識を基に、疲労破壊のメカニズムから疲労強度の向上方法 (材料、表面硬化) までを通して解説する構成としていますので、金属材料と強度に関して軸となる知見が得られることと思います。また、得られた知見は必ず実務に役立つことと思います。

  1. 導入
    1. 金属疲労とは
    2. 製品・構造物の破壊形態
    3. 疲労破壊事故事例紹介
    4. 疲労強度が必要な製品例紹介
    5. 代表的金属の強度とその材質的要因
  2. 結晶構造と強度
    1. 結晶構造と結晶のすべり面
    2. 純金属 (完全結晶) の理論せん断応力と実測値との乖離
    3. 結晶の欠陥 (転位,結晶粒界) と強度
    4. 金属の基本的な強度向上方法 (転位を動きにくくする方法)
    5. 材料強度評価方法および応力
      1. 金属組織観察
      2. 硬さ測定
      3. 引張試験
      4. 応力とは?
      5. 破面観察
  3. 疲労強度
    1. 金属疲労のメカニズム
    2. 疲労試験方法
    3. 疲労強度の表し方と疲労限度
    4. 疲労限度が存在する理由,ギガサイクル疲労
      1. 停留亀裂
      2. アルミニウム合金の疲労限度
    5. 疲労強度への形状因子の影響
      1. 表面粗さ
      2. 応力集中
      3. 応力勾配
      4. 寸法効果
    6. 切欠き係数
    7. 疲労限度線図
    8. 許容疲労強度 (無限寿命) 算定の概念
  4. 疲労強度向上方法と環境因子の影響
    1. 疲労強度に及ぼす材料因子の影響
      1. 硬さ (引張強さ)
      2. 介在物
      3. 鋳造材
      4. 溶接部
    2. 表面硬化処理による疲労強度向上
      1. 代表的な処理
      2. 圧縮残留応力の効果
    3. 疲労強度に及ぼす環境因子の影響 (鉄系材料)

受講料

付録 (テキストに記載 / セミナーでの説明は無し)

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