第1部. マーケッターが備えておくべき需要予測を踏まえた売上予測とLCMマネジメントスキル
(2021年12月6日 9:30〜12:00)
市場の状態やライフサイクル (LC) は製品力に影響する。導入期・成長期では、製品価値最大化のために、上市後のできる限り早期に、高いピーク売上を達成させられるような戦略を展開する。そのために積極的に販売投資を行い、売上とシェア拡大を目指す。成熟期に入った段階では、売上の維持に尽力する。それほど投資がかからないため、投資の回収を終え、利益率の増大が始まる。衰退期では、競合にその地位を譲り、穏やかに市場からの撤退を開始する。売上予測を算出する際は近未来の需要予測を踏まえることが重要であるが、加えて、製品力をいかに高めるかが盛り込まれた製品戦略を展開した場合の計画とする。すなわち、当該領域の顧客の処方動機を調査し、処方動機に合致した価値を自社製品で提供できるようになっていること、訴求するディテールメッセージは、得られる価値を顧客が具体的に想像できる内容とすることが重要となる。
また、SWOT分析を行い、適切なターゲットセグメントで競合品に打ち勝つ戦略を展開した場合の計画とする。自社品の弱みを気にせず、強みを拡充できるセグメントをターゲットセグメントとして、そのセグメントに自社品の有する価値を具体的なメッセージで提供する。そして、そのターゲットセグメントにおいて、競合品との局地戦に確実に勝つ戦略を展開する。売上予測法にはいろいろな方法があるが、複数の予測法で計算した結果が同じになれば、経営層の納得が得られるはずである。
本セッションでは、売上予測を算出する新しいアプローチも紹介する。《販売額=製品力×販売難易度×販売力》から、獲得予想シェアを計算する手法を具体的に解説する。LCMに関して、製品の価値最大化のためには、上市後に、できる限り、成熟期・衰退期を延長させ、また、高いピーク売上を達成することが重要であることは言うまでもない。LCMの成功事例と効果的にLCMを展開している事例を紹介させていただく。LCM戦略は、開発期から策定していかなければならない。臨床開発期に取り組んでおかなければならないことは何かについて、考察する。あわせて、効果的なLCM戦略を展開するために、アンメットニーズを評価するための売上予測の算出法と、LCM戦略構築における留意点について、自身の体験をもとにご説明させていただく。
- 製品力に影響する因子
- 製品力をいかに高めるかが盛り込まれた製品戦略を展開した場合の売上予測・販売計画であることが重要
- 自社品の弱みを気にせず、強みを拡充できるセグメントをターゲットセグメントとして、そのターゲットセグメントにおいて競合品との局地戦に確実に勝った場合の売上予測・販売計画とする
- 《販売額=製品力×販売難易度×販売力》から、獲得予想シェアを計算する手法の紹介
- 販売計画を精緻なものにするためには、市場での当該製品および競合品の医師の評価を正確に把握することが重要となる。 そのために有効な2つの調査を紹介する。
- 製品に対するロイヤルティ調査 (トラッキング調査) の紹介
- 市場導入後に、競合品に対する市場の認識がどのように変化したかを分析する手法 (ブランド・カテゴライゼーション) の紹介
- 虫食い承認が認められるようになった後のLCMは困難を極める
(剤形追加や効能追加では効果が低いので、知財戦略も併せて活用しなければならない)
- ドラッグリポジション、非オーファン指定疾患開発とオーファン指定疾患開発を効果的に組み合わせるなど、LCMの戦略の基本を紹介する。
第2部. 医薬品マーケティングに必要な市場調査データの収集とその見方・活用法
(2021年12月6日 12:45〜14:45)
医薬品マーケティングに必要な市場調査データを基に売上予測 (事業性予測) を行うのが医薬品マーケッターの第一歩と考えている。売上予測の基本は的確な市場把握 (市場予測) と当該製品の客観的なポテンシャルの評価である。たいていの新薬の売上予測には既存のセカンダリーデータを駆使することによりかなり精度の高い市場把握 (市場予測) を行うことが可能である。ただし、市場予測=売上予測ではない。本講座では改めて売上予測の基本を見直すことによりセカンダリーデータのみならずプライマリーデータの収集を含めて医薬品マーケティングに必要な市場調査データの収集とそれを活用した売上予測の方法論を主にがん領域を例に講演する。
- 市場データが充実している一般的な薬剤の市場予測
- 各種セカンダリーデータの活用法
- 市場予測の実践
- 市場データが不足している場合の市場予測
- 活用可能なセカンダリーデータは?
- データ不足を補う調査法=データがない場合の市場予測
- 必要とするデータの確定
- プライマリーデータの収集
- 確度の高い売上予測を実践するには
- 精度の高い売上予測を実践するには
- 徹底したSTP (セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)
- セグメンテーションごとの売上予測
- 売上予測はボトムアップ
第3部. 医薬品マーケティングにおけるSTP設定の基礎と実践
(2021年12月6日 15:00〜17:00)
STP (Segmentation, targeting, Positioning) 戦略は、フィリップ・コトラーにより、「効果的に市場を開拓するためのマーケティング手法」として紹介されました。STPが提唱された当時にくらべ市場や消費者ニーズは多様化していますが、「自社が誰に対してどのような価値を提供できるのか」を明確にすることは、製品戦略を考える中で必ず実践されなければなりません。製品戦略作成プロセスの中で、STPを、いつ、どのような形で行うべきかをSTP戦略の効用とともに検討していきます。
- 4つのマーケティング戦略 – 競合に対して企業が取るべき戦略 -
- マーケティング活動の流れの中でのSTPの位置づけ
- セグメンテーション&ターゲティング
- セグメンテーションとは
- ターゲティングとは
- ターゲットとペルソナ
- ターゲットマーケティングとターゲットしないマーケティング
- 医薬品におけるセグメンテーション&ターゲティング事例
- ポジショニング
- ポジショニングとは
- ポジショニングステートメントの書き方
- 医薬品におけるポジショニング事例
複数名同時受講割引について
- 2名様以上でお申込みの場合、1名あたり 55,000円(税別) / 60,500円(税込) で受講いただけます。
- 1名様でお申し込みの場合 : 1名で 60,000円(税別) / 66,000円(税込)
- 2名様でお申し込みの場合 : 2名で 110,000円(税別) / 121,000円(税込)
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- 文部科学省、経済産業省が設置した独立行政法人に勤務する研究者。理化学研究所、産業技術総合研究所など
- 公設試験研究機関。地方公共団体に置かれる試験所、研究センター、技術センターなどの機関で、試験研究および企業支援に関する業務に従事する方
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